1.概要
リポ1セル専用のツインモータのスピード・コントローラです。(ブラシモータ)
MB15と機能的にはほぼ同じで、違いはリポ1セル専用であることと、モータ負荷電流が2Aと小さいことです。
バック時のパワーを0〜100%まで設定できるため、設定如何によっては、バックなしにすることも可能です。
2.機能
●2モータ速度差制御(高周波PWM方式 )
●超信地旋回モード可
●バック付き
●バッテリー過放電防止のための電圧検出
3.仕様
●電源電圧 3.7V(リポ1セル専用)
●負荷電流 2A (連続)
●バッテリー電圧低下検出レベル 3.1V
●消費電流 4mA(無負荷時)
●外形 20*15*3(縦*横*高さ)
●重量 0.9g
4.回路図
S1:ステアリング・チャンネル S2:エンコン・チャンネル
5.部品表
番号 |
部品名 |
品番(仕様) |
メーカー |
備考 |
IC1 |
三端子レギュレータ |
S-812C30 |
ABLIC |
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IC2 |
マイコン |
ATmega48V-10AUR |
MicroChip |
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IC3 |
IC |
TC78H653FTG |
東芝 |
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Q1〜Q2 |
抵抗内臓トランジスタ |
RN1102 |
東芝 |
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LED1 |
LED |
UR1111C |
スタンレー電気 |
赤色 |
C2〜C3 |
セラミック・コンデンサ |
10uF/10V |
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C4 |
セラミック・コンデンサ |
47uF/10V |
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C6〜C7 |
セラミック・コンデンサ |
0.1uF/25V |
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C9 |
セラミック・コンデンサ |
10uF/10V |
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C10〜C11 |
セラミック・コンデンサ |
0.1uF/25V |
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R1 |
チップ抵抗 |
10kΩ |
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R2 |
チップ抵抗 |
2.2kΩ |
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R3 |
チップ抵抗 |
150Ω |
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XT1 |
セラミック発振子 |
CSTCR6M40G53 |
ムラタ |
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6.マイコンプログラム
自作する場合は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
下記ファイルをダウンロードしてマイコンへの書き込みを行って下さい。
(右クリックで ”対象をファイルに保存” を選択)
mb200.hex
書き込み時の設定
・FUSE 0xFF 0xDE 0x77
・LOCK 0xFF
7.配線図
8.1使い方(初期設定方法)
本回路は、エンコンのフルハイポジション(パルス幅1.9msec)、フルバックポジション(パルス幅1.1msec)、ニュートラル(パルス幅1.4msec)、ステアリングの右(パルス幅1.9msec)、左(パルス幅1.1msec)、ニュートラル(パルス幅1.5msec)にデフォルト設定されていていますが、必要に応じて初期設定を行ってください。
(ステアリングの操作量は、設定が複雑化するので、固定式としました。)
初期設定は、1度行えば、データは不揮発性メモリに記憶されるためバッテリーを外しても消えることはありません。したがって、通常使用において毎回設定する必要はありません。また、この初期設定は、何度でも変更可能です。
初期設定は、エンコンのフルハイポジション、フルバックポジション、ニュートラル、バックパワー、バッテリー電圧低下検出レベル、確認のためのフルハイポジションの順で基板上のLEDの点滅を見ながら行います。
フタバ製のプロポはエンコンをリバースモードに、その他のメーカーのプロポはノーマルモードにしておきます。
エンコンのトリム、ステアリングのトリムは中央にしておきます。
@送信機のスイッチを入れ、エンコン・スティックをフルハイ(一番上に上げる)の位置にする。(※補足1)
AMB20にバッテリーを接続して約10秒待つ。
BLEDが点滅したら、 すぐにエンコン・スティックをフルバック(一番下に下げる)にして5秒待つ。
CLEDが点滅したら、すぐにエンコン・スティックをニュートラル(モータ停止位置)にして5秒待つ。
DLEDが点滅したら、すぐにエンコン・スティックをニュートラル〜フルバックの間の好みの位置にして5秒待つ。(※補足2)
ELEDが点滅したら、 すぐにエンコン・スティックをフルハイにして5秒待つ。(初期設定を確定するための操作 & 左右モータ出力補正)(※補足3)
初期設定が完了すると、LEDが点灯します。
以上で初期設定終了です。一旦、MB20のスイッチを切って下さい。
※補足1
ステアリングのニュートラルポジションデータは、エンコン・フルハイの設定と同時に取り込まれます。(上の設定説明では@のところ) ですから、@の設定時には、ステアリングは、ニュートラル・ポジションになっている必要があります。
※補足2
実走行時に、エンコン・スティックをフルバックにしたときのバックパワーを設定します。
バックパワーは、0〜100%まで無段階に設定できます。
設定例
・エンコン・スティックをフルバックにして設定した場合は、実走行におけるフルバックの時は100%のパワーになります。
・エンコン・スティックをニュートラル〜フルバックのちょうど中央にして設定した場合は、実走行時に、フルバックにしても50%のパワーになります。
・エンコン・スティックをニュートラルにして設定した場合は、実走行時、バックパワー”0”(ゼロ)になります。つまり、バック機能なしです。
※補足3
左右のモーターのバラツキ補正も行います。
左右のモーターの出力特性が揃っていれば、問題ありませんが、ずれている場合は、ステアリング・スティックがニュートラルなのに、前進させると左右どちらかに曲がるクセが出てしまいます。
もし、右に曲がるクセがある場合は、上記設定のEの時にエンコン・スティックをフルハイにすると同時にステアリング・スティックを少しだけ左に倒します。左に曲がるクセがある場合は、逆にステアリング・スティックを少しだけ右に倒します。(ステアリング・スティックの倒す量に応じて左右モーターの補正量も変わります)
注意事項
設定途中で、LEDが速い周期で点滅を繰り返す場合は、設定失敗です。最初からやり直して下さい。 設定をやり直す場合は、マイコンを確実にリセットするために、電源オフ時間を3秒以上とって下さい。電源を抜くなどして初期設定を途中で中断した場合には、途中までの設定も無効となり、前回の設定値のままで設定変更はなされません。
8使い方
電源を投入して信号が入力されるとと、LEDが点灯します。LEDが点灯したら、ツインモータスピードコントローラとして動作を開始します。(ただし、安全のため、エンコンを一旦ニュートラルにしないとモータが回りださないようになっています。)
エンコン・スティックで速度調整を行い、ステアリング・スティックを操作すると左右のモータに回転差が生じて旋回を行うことができます。左右モータの回転速度差はステアリング・スティックの操作量に応じて変化し、旋回させる側のモータは回転速度が下がり、その反対側のモータは回転速度が上がります。当然のことですが、旋回外側のモータの回転速度が上がるといってもフルパワー以上には上がりません。極端な例ですが、フルパワーで直進中に右舵を切ると右側のモータの回転速度は落ちますが、左側のモータの回転速度はフルパワーのままで変化しないことになります。
超信地旋回させる場合は、エンコン・スティック、ステアリング・スティック共にニュートラル状態にした後、ステアリング・スティックを操作することで左右のモータが互いに逆回転して超信地旋回が行えるようになります。超信地旋回時にエンコンがニュートラルから外れると通常の差動モードに移行します。
逆に、通常の差動モードでの旋回中に、エンコンをニュートラルにしても超信地旋回モードにはなりませんので注意してください。
超信地旋回時にバックしている側のモータは、上記設定時のバックパワーが反映されます。
バッテリー残量が残り少なくなってバッテリーの電圧が低下すると、動力用モーターがオフします。そして電圧が復活すると自動的に再起動します。
実際には、モーターがON/OFFを繰り返す動作をします。このような状態になったら、模型を速やかに回収するようにして下さい。
9.その他使用上の注意
・ノイズを拾って初期設定モードに入ってしまう恐れがあるため、送信機の電源をONしてエンコンをニュートラルにしてからMB20の電源を投入してください。