MB20

リポ1セル専用ツインモータ スピード コントローラ                      2019/09/01


1.概要
リポ1セル専用のツインモータのスピード・コントローラです。(ブラシモータ)
MB15と機能的にはほぼ同じで、違いはリポ1セル専用であることと、モータ負荷電流が2Aと小さいことです。
バック時のパワーを0〜100%まで設定できるため、設定如何によっては、バックなしにすることも可能です。



2.機能
 ●2モータ速度差制御(高周波PWM方式 )
 ●超信地旋回モード可
 ●バック付き
 ●バッテリー過放電防止のための電圧検出



3.仕様
 ●電源電圧 3.7V(リポ1セル専用)
 ●負荷電流 2A (連続)
 ●バッテリー電圧低下検出レベル 3.1V
 ●消費電流 4mA(無負荷時)
 ●外形 20*15*3(縦*横*高さ)
 ●重量 0.9g



4.回路図

 S1:ステアリング・チャンネル  S2:エンコン・チャンネル



5.部品表
番号  部品名  品番(仕様)   メーカー  備考 
 IC1  三端子レギュレータ  S-812C30  ABLIC  
 IC2  マイコン  ATmega48V-10AUR  MicroChip  
 IC3  IC  TC78H653FTG  東芝  
 Q1〜Q2  抵抗内臓トランジスタ  RN1102  東芝  
 LED1  LED  UR1111C  スタンレー電気  赤色
 C2〜C3  セラミック・コンデンサ  10uF/10V    
 C4  セラミック・コンデンサ  47uF/10V    
 C6〜C7  セラミック・コンデンサ  0.1uF/25V    
 C9  セラミック・コンデンサ  10uF/10V    
 C10〜C11  セラミック・コンデンサ  0.1uF/25V    
 R1  チップ抵抗  10kΩ    
 R2  チップ抵抗  2.2kΩ    
 R3  チップ抵抗  150Ω    
 XT1  セラミック発振子  CSTCR6M40G53  ムラタ  



6.マイコンプログラム
自作する場合は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
下記ファイルをダウンロードしてマイコンへの書き込みを行って下さい。
(右クリックで ”対象をファイルに保存” を選択)

mb200.hex

書き込み時の設定
・FUSE  0xFF 0xDE 0x77
・LOCK 0xFF



7.配線図




8.1使い方(初期設定方法)
 本回路は、エンコンのフルハイポジション(パルス幅1.9msec)、フルバックポジション(パルス幅1.1msec)、ニュートラル(パルス幅1.4msec)、ステアリングの右(パルス幅1.9msec)、左(パルス幅1.1msec)、ニュートラル(パルス幅1.5msec)にデフォルト設定されていていますが、必要に応じて初期設定を行ってください。
(ステアリングの操作量は、設定が複雑化するので、固定式としました。)
 初期設定は、1度行えば、データは不揮発性メモリに記憶されるためバッテリーを外しても消えることはありません。したがって、通常使用において毎回設定する必要はありません。また、この初期設定は、何度でも変更可能です。
 初期設定は、エンコンのフルハイポジション、フルバックポジション、ニュートラル、バックパワー、バッテリー電圧低下検出レベル、確認のためのフルハイポジションの順で基板上のLEDの点滅を見ながら行います。
フタバ製のプロポはエンコンをリバースモードに、その他のメーカーのプロポはノーマルモードにしておきます。
エンコンのトリム、ステアリングのトリムは中央にしておきます。

@送信機のスイッチを入れ、エンコン・スティックをフルハイ(一番上に上げる)の位置にする。(※補足1)
AMB20にバッテリーを接続して約10秒待つ。
BLEDが点滅したら、 すぐにエンコン・スティックをフルバック(一番下に下げる)にして5秒待つ。
CLEDが点滅したら、すぐにエンコン・スティックをニュートラル(モータ停止位置)にして5秒待つ。
DLEDが点滅したら、すぐにエンコン・スティックをニュートラル〜フルバックの間の好みの位置にして5秒待つ。(※補足2)
ELEDが点滅したら、 すぐにエンコン・スティックをフルハイにして5秒待つ。(初期設定を確定するための操作 & 左右モータ出力補正)(※補足3)

初期設定が完了すると、LEDが点灯します。
以上で初期設定終了です。一旦、MB20のスイッチを切って下さい。

※補足1
 ステアリングのニュートラルポジションデータは、エンコン・フルハイの設定と同時に取り込まれます。(上の設定説明では@のところ) ですから、@の設定時には、ステアリングは、ニュートラル・ポジションになっている必要があります。

※補足2
 実走行時に、エンコン・スティックをフルバックにしたときのバックパワーを設定します。
バックパワーは、0〜100%まで無段階に設定できます。
設定例
・エンコン・スティックをフルバックにして設定した場合は、実走行におけるフルバックの時は100%のパワーになります。
・エンコン・スティックをニュートラル〜フルバックのちょうど中央にして設定した場合は、実走行時に、フルバックにしても50%のパワーになります。
・エンコン・スティックをニュートラルにして設定した場合は、実走行時、バックパワー”0”(ゼロ)になります。つまり、バック機能なしです。

※補足3
 左右のモーターのバラツキ補正も行います。
左右のモーターの出力特性が揃っていれば、問題ありませんが、ずれている場合は、ステアリング・スティックがニュートラルなのに、前進させると左右どちらかに曲がるクセが出てしまいます。
もし、右に曲がるクセがある場合は、上記設定のEの時にエンコン・スティックをフルハイにすると同時にステアリング・スティックを少しだけ左に倒します。左に曲がるクセがある場合は、逆にステアリング・スティックを少しだけ右に倒します。(ステアリング・スティックの倒す量に応じて左右モーターの補正量も変わります)

注意事項
 設定途中で、LEDが速い周期で点滅を繰り返す場合は、設定失敗です。最初からやり直して下さい。 設定をやり直す場合は、マイコンを確実にリセットするために、電源オフ時間を3秒以上とって下さい。電源を抜くなどして初期設定を途中で中断した場合には、途中までの設定も無効となり、前回の設定値のままで設定変更はなされません。



8使い方
 電源を投入して信号が入力されるとと、LEDが点灯します。LEDが点灯したら、ツインモータスピードコントローラとして動作を開始します。(ただし、安全のため、エンコンを一旦ニュートラルにしないとモータが回りださないようになっています。)
 エンコン・スティックで速度調整を行い、ステアリング・スティックを操作すると左右のモータに回転差が生じて旋回を行うことができます。左右モータの回転速度差はステアリング・スティックの操作量に応じて変化し、旋回させる側のモータは回転速度が下がり、その反対側のモータは回転速度が上がります。当然のことですが、旋回外側のモータの回転速度が上がるといってもフルパワー以上には上がりません。極端な例ですが、フルパワーで直進中に右舵を切ると右側のモータの回転速度は落ちますが、左側のモータの回転速度はフルパワーのままで変化しないことになります。
 超信地旋回させる場合は、エンコン・スティック、ステアリング・スティック共にニュートラル状態にした後、ステアリング・スティックを操作することで左右のモータが互いに逆回転して超信地旋回が行えるようになります。超信地旋回時にエンコンがニュートラルから外れると通常の差動モードに移行します。
逆に、通常の差動モードでの旋回中に、エンコンをニュートラルにしても超信地旋回モードにはなりませんので注意してください。
超信地旋回時にバックしている側のモータは、上記設定時のバックパワーが反映されます。
 バッテリー残量が残り少なくなってバッテリーの電圧が低下すると、動力用モーターがオフします。そして電圧が復活すると自動的に再起動します。
実際には、モーターがON/OFFを繰り返す動作をします。このような状態になったら、模型を速やかに回収するようにして下さい。



9.その他使用上の注意
・ノイズを拾って初期設定モードに入ってしまう恐れがあるため、送信機の電源をONしてエンコンをニュートラルにしてからMB20の電源を投入してください。