1.概要
電動RC戦車など左右2つのモータの回転速度差を利用して旋回を行うためのブラシモータ専用のモータ・スピード・コントローラです。
従来品の
MB14との大きな違いは、左右のモータを同時に反転させて、超信地旋回が可能になったことです。
バック時のパワーを0〜100%まで設定できるため、設定如何によっては、バックなしにすることも可能です。
2.機能
●2モータ速度差制御(高周波PWM方式 )
●超信地旋回モード可
●バック付き
●BEC付き
●バッテリー過放電防止のための電圧検出
3.仕様
●電源電圧 6〜12V(リポ2〜3セル、NiCd/NiMh5〜10セル)
●負荷電流 10A (連続)
●バッテリー電圧低下検出レベル 5V、6.4V、9.6Vの3レベルのうちいずれかを選択可能
●BEC出力電圧 5V
●BEC電流 2A(ピーク電流)
●消費電流 20mA(電源電圧 7.4V時)
●外形 50*26*7(縦*横*高さ)
●重量 9.1g(コネクタ含む)
4.回路図
S1:ステアリング・チャンネル S2:エンコン・チャンネル
5.部品表
番号 |
部品名 |
品番(仕様) |
メーカー |
備考 |
IC1 |
三端子レギュレータ |
uPC24A05H |
NEC |
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IC2 |
マイコン |
ATmega48V-10AUR |
MicroChip |
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IC3 |
IC |
TC74AC08FTEL |
東芝 |
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IC5 |
IC |
TC7WU04FU |
東芝 |
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Q1〜Q4 |
FET |
HAT1072H |
ルネサス・エレクトロニクス |
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Q5〜Q8 |
FET |
HAT2164H |
ルネサス・エレクトロニクス |
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Q9〜Q14 |
抵抗内臓トランジスタ |
RN1102 |
東芝 |
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LED1 |
LED |
UR1111C |
スタンレー電気 |
赤色 |
C1 |
アルミ電解コンデンサ |
47uF/16V |
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C2 |
セラミック・コンデンサ |
2.2uF/25V |
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C3 |
タンタル・コンデンサ |
47uF/10V |
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C4〜C15 |
セラミック・コンデンサ |
0.1uF/25V |
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R1 |
チップ抵抗 |
10kΩ |
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R2 |
チップ抵抗 |
1.2kΩ |
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R4 |
チップ抵抗 |
470Ω |
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R5〜R6 |
チップ抵抗 |
10kΩ |
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R8〜R11 |
チップ抵抗 |
2.2kΩ |
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|
XT1 |
セラミック発振子 |
CSTCR6M40G53 |
ムラタ |
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6.マイコンプログラム
自作する場合は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
下記ファイルをダウンロードしてマイコンへの書き込みを行って下さい。
(右クリックで ”対象をファイルに保存” を選択)
mb151.hex
書き込み時の設定
・FUSE 0xFF 0xDE 0x77
・LOCK 0xFF
7.配線図
スイッチを設けず、バッテリーコネクタの抜き差しで電源ON/OFFを行う場合は、上図のスイッチのところを電線で短絡しておいてください。
8.1使い方(初期設定方法)
本回路は、エンコンのフルハイポジション(パルス幅1.9msec)、フルバックポジション(パルス幅1.1msec)、ニュートラル(パルス幅1.4msec)、ステアリングの右(パルス幅1.9msec)、左(パルス幅1.1msec)、ニュートラル(パルス幅1.5msec)、及びバッテリー電圧低下検出レベル(6.4V)にデフォルト設定されていていますが、必要に応じて初期設定を行ってください。
(ステアリングの操作量は、設定が複雑化するので、固定式としました。)
初期設定は、1度行えば、データは不揮発性メモリに記憶されるためバッテリーを外しても消えることはありません。したがって、通常使用において毎回設定する必要はありません。また、この初期設定は、何度でも変更可能です。
初期設定は、エンコンのフルハイポジション、フルバックポジション、ニュートラル、バックパワー、バッテリー電圧低下検出レベル、確認のためのフルハイポジションの順で基板上のLEDの点滅を見ながら行います。
フタバ製のプロポはエンコンをリバースモードに、その他のメーカーのプロポはノーマルモードにしておきます。
エンコンのトリム、ステアリングのトリムは中央にしておきます。
@送信機のスイッチを入れ、エンコン・スティックをフルハイ(一番上に上げる)の位置にする。(※補足1)
AMB15のスイッチをONして約10秒待つ。
BLEDが点灯したら、 すぐにエンコン・スティックをフルバック(一番下に下げる)にして5秒待つ。
CLEDが点灯したら、すぐにエンコン・スティックをニュートラル(モータ停止位置)にして5秒待つ。
DLEDが点灯したら、すぐにエンコン・スティックをニュートラル〜フルバックの間の好みの位置にして5秒待つ。(※補足2)
ELEDが点灯したら、すぐにエンコン・スティックをバッテリー電圧低下検出レベルを5Vにする場合はフルバック、6.4Vにする場合はニュートラル、9.6Vにする場合はフルハイにして5秒待つ。
FLEDが点灯したら、 すぐにエンコン・スティックをフルハイにして5秒待つ。(初期設定を確定するための操作 & 左右モータ出力補正)(※補足3)
初期設定が完了すると、5秒後にLEDが長い周期で点滅を繰り返します。点滅が1回の場合はバッテリー電圧低下検出レベルが5V、点滅が2回の場合は6.4V、点滅が3回の場合は9.6Vです。
以上で初期設定終了です。一旦、MB15のスイッチを切って下さい。
※補足1
ステアリングのニュートラルポジションデータは、エンコン・フルハイの設定と同時に取り込まれます。(上の設定説明では@のところ) ですから、@の設定時には、ステアリングは、ニュートラル・ポジションになっている必要があります。
※補足2
実走行時に、エンコン・スティックをフルバックにしたときのバックパワーを設定します。
バックパワーは、0〜100%まで無段階に設定できます。
設定例
・エンコン・スティックをフルバックにして設定した場合は、実走行におけるフルバックの時は100%のパワーになります。
・エンコン・スティックをニュートラル〜フルバックのちょうど中央にして設定した場合は、実走行時に、フルバックにしても50%のパワーになります。
・エンコン・スティックをニュートラルにして設定した場合は、実走行時、バックパワー”0”(ゼロ)になります。つまり、バック機能なしです。
※補足3
左右のモーターのバラツキ補正も行います。
左右のモーターの出力特性が揃っていれば、問題ありませんが、ずれている場合は、ステアリング・スティックがニュートラルなのに、前進させると左右どちらかに曲がるクセが出てしまいます。
もし、右に曲がるクセがある場合は、上記設定のFの時にエンコン・スティックをフルハイにすると同時にステアリング・スティックを少しだけ左に倒します。左に曲がるクセがある場合は、逆にステアリング・スティックを少しだけ右に倒します。(ステアリング・スティックの倒す量に応じて左右モーターの補正量も変わります)
注意事項
設定途中で、LEDが速い周期で点滅を繰り返す場合は、設定失敗です。最初からやり直して下さい。 設定をやり直す場合は、マイコンを確実にリセットするために、電源オフ時間を3秒以上とって下さい。電源を抜くなどして初期設定を途中で中断した場合には、途中までの設定も無効となり、前回の設定値のままで設定変更はなされません。
バックなしの設定を行う場合、ニュートラルとフルバックのスティックポジションが近過ぎるとバッテリー電圧低下検出レベルの設定がうまくできないことがありますので、少し離してください。
8使い方
電源を投入すると、LEDが1〜3回点滅した後、連続点灯します。点滅回数はバッテリー電圧低下検出電圧を表していて、1回の点滅は5V、2回の点滅は6.4V、3回の点滅は9.6Vです。LEDが連続点灯したら、ツインモータスピードコントローラとして動作を開始します。(ただし、安全のため、エンコンを一旦ニュートラルにしないとモータが回りださないようになっています。)
エンコン・スティックで速度調整を行い、ステアリング・スティックを操作すると左右のモータに回転差が生じて旋回を行うことができます。左右モータの回転速度差はステアリング・スティックの操作量に応じて変化し、旋回させる側のモータは回転速度が下がり、その反対側のモータは回転速度が上がります。当然のことですが、旋回外側のモータの回転速度が上がるといってもフルパワー以上には上がりません。極端な例ですが、フルパワーで直進中に右舵を切ると右側のモータの回転速度は落ちますが、左側のモータの回転速度はフルパワーのままで変化しないことになります。
超信地旋回させる場合は、エンコン・スティック、ステアリング・スティック共にニュートラル状態にした後、ステアリング・スティックを操作することで左右のモータが互いに逆回転して超信地旋回が行えるようになります。超信地旋回時にエンコンがニュートラルから外れると通常の差動モードに移行します。
逆に、通常の差動モードでの旋回中に、エンコンをニュートラルにしても超信地旋回モードにはなりませんので注意してください。
超信地旋回時にバックしている側のモータは、上記設定時のバックパワーが反映されます。
バッテリー残量が残り少なくなってバッテリーの電圧が低下すると、動力用モーターがオフします。そして電圧が復活すると自動的に再起動します。
実際には、モーターがON/OFFを繰り返す動作をします。このような状態になったら、模型を速やかに回収するようにして下さい。
9.その他使用上の注意
・ノイズを拾って初期設定モードに入ってしまう恐れがあるため、送信機の電源をONしてエンコンをニュートラルにしてからMB15の電源を投入してください。
・モータを停止させていても(受信機も含めて)回路に電流が流れています。走行終了後は速やかにバッテリーを外してください。(特に電圧低下検出が働いた場合)
・スイッチには、動力用モータの大電流は流れませんので、通常は2〜3A程度の電流容量のスイッチで十分です。