MB14

ツインモータ スピード コントローラ


 


1.概要
電動RC戦車など左右2つのモータの回転速度差を利用して旋回を行うためのブラシモータ専用のモータ・スピード・コントローラです。
MB13と回路、基板は全く同じで、ファームウェア(プログラム)の変更だけです。
大きな変更点は、バック時のパワーを0〜100%まで設定できるようにしたところで、設定如何によっては、バックなしにすることも可能になりました。
これらの変更に伴い、初期設定の方法も変更しています。
また、バッテリーの電圧低下検出のレベルを若干高めにしています。

2.機能
 ●2モータ速度差制御(高周波PWM方式 )
 ●バック付き
 ●BEC付き
 ●バッテリー過放電防止のための電圧検出


3.仕様
 ●電源電圧 6〜12V(リポ2〜3セル、NiCd/NiMh5〜10セル)
 ●負荷電流 5A (連続)
 ●バッテリー電圧低下検出レベル 5V、6.4V、9.6Vの3レベルのうちいずれかを選択可能
 ●BEC出力電圧 5V
 ●BEC電流 2A(ピーク電流)
 ●消費電流 40mA(電源電圧 7.4V時)
 ●外形 53*28*8(縦*横*高さ)
 ●重量 12.6g(コネクタ含む)


4.回路図
MB12参照。


5.部品表
MB12参照。


6.マイコンプログラム
自作する場合は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
下記ファイルをダウンロードしてマイコンへの書き込みを行って下さい。
(右クリックで ”対象をファイルに保存” を選択)

mb140.hex


7.配線図





8.1使い方(初期設定方法)
本回路は、エンコンのフルハイポジション(パルス幅1.9msec)、フルバックポジション(パルス幅1.1msec)、ニュートラル(パルス幅1.4msec)、ステアリングの右(パルス幅1.9msec)、左(パルス幅1.1msec)、ニュートラル(パルス幅1.5msec)、及びバッテリー電圧低下検出レベル(6.4V)にデフォルト設定されていていますが、必要に応じて初期設定を行ってください。
初期設定は、1度行えば、データは不揮発性メモリに記憶されるためバッテリーを外しても消えることはありません。したがって、通常使用において毎回設定する必要はありません。また、この初期設定は、何度でも変更可能です。
初期設定は、エンコンのフルハイポジション、フルバックポジション、ニュートラル、バックパワー、ステアリングの右、ステアリング左、バッテリー電圧低下検出レベル、確認のためのフルハイポジションの順で基板上のLEDの点滅を見ながら行います。
フタバ製のプロポはエンコンをリバースモードに、その他のメーカーのプロポはノーマルモードにしておきます。
エンコンのトリム、ステアリングのトリムは中央にしておきます。

@送信機のスイッチを入れ、エンコン・スティックをフルハイ(一番上に上げる)の位置にする。(※補足1)
AMB14のスイッチをONして5秒待つ。
BLEDが点滅したら、 すぐにエンコン・スティックをフルバック(一番下に下げる)にして5秒待つ。
CLEDが点滅したら、すぐにエンコン・スティックをニュートラル(モータ停止位置)にして5秒待つ。
DLEDが点滅したら、すぐにエンコン・スティックをニュートラル〜フルバックの間の好みの位置にして5秒待つ。(※補足2)
DLEDが点滅したら、すぐにステアリング・スティックを右いっぱいに切って5秒待つ。
ELEDが点滅したら、すぐにステアリング・スティックを左いっぱいに切って5秒待つ。
GLEDが点滅したら、すぐにエンコン・スティックをバッテリー電圧低下検出レベルを5Vにする場合はフルバック、6.4Vにする場合はニュートラル、9.6Vにする場合はフルハイにして5秒待つ。
HLEDが点滅したら、 すぐにエンコン・スティックをフルハイにして5秒待つ。(初期設定を確定するための操作)

初期設定が完了すると、5秒後にLEDが長い周期で点滅を繰り返します。点滅が1回の場合はバッテリー電圧低下検出レベルが5V、点滅が2回の場合は6.4V、点滅が3回の場合は9.6Vです。
以上で初期設定終了です。一旦、MB14のスイッチを切って下さい。

※補足1
 ステアリングのニュートラルポジションデータは、エンコン・フルハイの設定と同時に取り込まれます。(上の設定説明では@のところ) ですから、@の設定時には、ステアリングは、ニュートラル・ポジションになっている必要があります。ただし、左右のモータパワーのバラツキなどで、ステアリングをニュートラルにしても直進しない場合がありますが、その場合@の設定時に、ステアリングのニュートラル・ポジションを少しずらして設定することで調整できます。例えば、直進せずに少し右に曲がる癖があるときは、ステアリングの初期設定でニュートラル・ポジションを中央より少し右にずらして設定してみてください。

※補足2
 実走行時、エンコン・スティックをフルバックにしたときのバックパワーを設定します。
バックパワーは、0〜100%まで無段階に設定できます。
設定例
・エンコン・スティックをフルバックにして設定した場合は、実走行におけるフルバックの時は100%のパワーになります。
・エンコン・スティックをニュートラル〜フルバックのちょうど中央にして設定した場合は、実走行時、フルバックにしても50%のパワーになります。
・エンコン・スティックをニュートラルにして設定した場合は、実走行時、バックパワー”0”(ゼロ)になります。つまり、バック機能なしです。

注意事項
 設定途中で、LEDが速い周期で点滅を繰り返す場合は、設定失敗です。最初からやり直して下さい。 設定をやり直す場合は、マイコンを確実にリセットするために、電源オフ時間を3秒以上とって下さい。電源を抜くなどして初期設定を途中で中断した場合には、途中までの設定も無効となり、前回の設定値のままで設定変更はなされません。


8.2使い方
 電源を投入すると、LEDが1〜3回点滅した後、連続点灯します。点滅回数はバッテリー電圧低下検出電圧をあらわしていて、1回の点滅は5V、2回の点滅は6.4V、3回の点滅は9.6Vです。LEDが連続点灯したら、ツインモータスピードコントローラとして動作を開始します。
 エンコン・スティックで速度調整を行い、ステアリング・スティックを操作すると左右のモータに回転差が生じて旋回を行うことができます。左右モータの回転速度差はステアリング・スティックの操作量に応じて変化し、旋回させる側のモータは回転速度が下がり、その反対側のモータは回転速度が上がります。当然のことですが、旋回外側のモータの回転速度が上がるといってもフルパワー以上には上がりません。極端な例ですが、フルパワーで直進中に右舵を切ると右側のモータの回転速度は落ちますが、左側のモータの回転速度はフルパワーのままで変化しないことになります。


9.その他使用上の注意
・ノイズを拾って初期設定モードに入ってしまう恐れがあるため、送信機の電源をONしてエンコンをニュートラルにしてからMB14の電源を投入してください。
・バッテリー電圧低下検出に関してですが、電源電圧が設定電圧以下にならないようにパワー制御を行っていますので、バッテリー残量が残り少なくなってくるとパワーが急速に落ちてきます。陸上模型では、あまり問題になりませんが、船舶模型では、回収困難になる可能性がありますので、パワーが低下してきたと感じたら、速やかに回収するようにして下さい。
・モータを停止させていても(受信機も含めて)回路に電流が流れています。走行終了後は速やかにバッテリーを外してください。(特に電圧低下検出が働いた場合)
・電源のON/OFFをスイッチを付けずに電源コネクタの抜き差しで行う場合は、スイッチ端子を電線で接続してください。
・スイッチには、動力用モータの大電流は流れませんので、通常は2〜3A程度の電流容量のスイッチで十分です。