1.概要
リチウム・ポリマー・バッテリー(以下リポと呼ぶ)の過放電を防止する回路です。本回路をリポと使いたい機器の間に挿入するだけで、リポの電圧低下を検知して自動的に電源をオフして、リポの過放電を防止します。
対応するリポは1〜3セルとなっています。
LP20の後継機です。
2.機能
●リポ過放電防止
3.仕様
●対応セル数 1〜3セル
●検知電圧 3.0/セル
●動作電圧 3.0〜12.6V (リポ直列1〜3セル)
●負荷電流 10Amax
●消費電流 (電源電圧 7.4V時)
FETオン時 : 110μA(LED OFF設定) 、 850μA(LED ON設定)
FETオフ時 : 30μA
●外形 32*17*4(縦*横*高さ)
●重量 1.7g
4.回路図
5.部品表
部品番号 |
品名 |
品番 |
仕様 |
メーカー |
備考 |
IC1 |
3端子レギュレータ |
S-812C25 |
. |
SII |
. |
IC2 |
マイコン |
ATtiny45V |
. |
Microchip Technology |
. |
Q1 |
FET |
SSM3K35FS |
. |
東芝 |
. |
Q2 |
FET |
HAT1072H |
. |
ルネサス・エレクトロニクス |
. |
D1 |
ショットキー・ダイオード |
RB160L-40 |
. |
ローム |
. |
LED1 |
チップLED |
. |
. |
. |
緑色 |
C1 |
チップセラミックコンデンサ |
. |
4.7uF 16V |
. |
. |
C2 |
チップタンタルコンデンサ |
. |
22uF 10V |
. |
. |
C3 |
チップセラミックコンデンサ |
. |
0.1uF 25V |
. |
. |
C4 |
チップセラミックコンデンサ |
. |
0.68uF 25V |
. |
. |
R1 |
チップ抵抗 |
. |
330KΩ |
. |
. |
R2 |
チップ抵抗 |
. |
100kΩ |
. |
. |
R3 |
チップ抵抗 |
. |
100Ω |
. |
. |
R4 |
チップ抵抗 |
. |
1MΩ |
. |
. |
R5 |
チップ抵抗 |
. |
1MΩ |
. |
. |
SW1 |
ディップスイッチ |
. |
. |
. |
4桁(3桁のみ使用) |
6.マイコン プログラムのダウンロード
自作する方は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
圧縮形式ですので、下記ファイルをダウンロードした後、解凍してHEXファイルにしてからマイコンへの書き込みを行って下さい。
LP212
設定
・FUSE extended byte (11111111B)
・FUSE high byte (01111110B)
・FUSE low byte (01100100B
SELFPGNEN:1
RSTDISBL:0
DWEN:1
SPIEN:1
WDTON:1
EESAVE:1
BODLEVEL2:1
BODLEVEL1:1
BODLEVEL0:0
CKDIV8:0
CKOUT:1
SUT1:1
SUT0:0
CKSEL3:0
CKSEL2:1
CKSEL1:0
CKSEL0:0
・LOCK bit (11111111B)
LB1:1
LB2:1
7.使い方
下図のように本回路をリポと負荷装置の間に接続します。
リポの電圧をマイコンが監視して、設定された電圧以下になるとFETスイッチをオフして負荷装置への電源供給を停止します。
検知電圧の設定は、基板上のディップスイッチSW0,SW1によってリポ1〜3セルまで対応させることができます。
SW2は予備ですので、OFFに固定してください。
SW1 |
SW0 |
検出電圧 |
備考 |
OFF |
OFF |
3.0V |
リポ 1セル用 |
OFF |
ON |
6.0V |
リポ 2セル用 |
ON |
OFF |
9.0V |
リポ 3セル用 |
ON |
ON |
10.0V |
− |
また、基板上には、LEDがあり、FETスイッチがオン状態の時には、LEDが点灯していますが、FETスイッチがオフ状態になるとLEDは消灯します。LEDを点灯させると消費電流も増加しますので、FETスイッチがオン状態でも消費電流を抑えたい場合は、基板上のディップスイッチSW3をOFFにして、LEDを常時オフにして下さい。
9.注意事項
・リポを接続後、一旦外して再接続する場合は、パワーオンリセットを確実に行うために5秒以上待ってから再接続してください。
・本回路は、FETスイッチをオフした後は、低消費電流モードに移行しますが、約30μAの電流が流れ続けます。長時間リポに接続しっぱなしにすると過放電になる恐れがありますのでご注意ください。
・リポを充電するときは、本回路をリポから外して下さい。(回路を付けたまま充電しないで下さい。)
・リポの電圧低下を検知すると負荷装置はリポバッテリーと切り離されますが、このとき切り離されるのはプラス側のみで、マイナス側(GND)は接続されたままになっています。(下図参照)