SRT20

スマホラジコン ローテーションサーボ用                      2019/10/27




1.概要
 SRT10のローテーションサーボ用バージョンで、スマートフォン(スマホ)で2つのローテーションサーボを制御する回路です。通信にはBluetoothを使っています。
ローテーションサーボとは、回転速度、回転方向を制御でき、永遠に回転し続けることができるサーボ(本当はサーボとは言えない)で、ギヤード・モーターの代わりにつかえるので便利なアイテムです。
動作テストでは、GWS V0008Aというローテーションサーボを使ってみました。
操作は、スマホ画面タッチすることで低速前進、高速前進、超信地右旋回、超信地左旋回、低速バックだけの単純操作としましたので、小学校低学年の子供でも操作できるかと思います。
左右モーターパワーのアンバランスを補正するスライドバーを設けました。
サーボの電源は、DCDCコンバータから5V電源が供給されます。バッテリーがNi-MH 4本ならDCDCコンバータ部は省略しても良いでしょう。
また、おまけ機能としてLED等の軽負荷ドライブができるSW出力を1チャンネル設けています。
使えるスマホは、Android OS専用でiPhoneには対応していません。また、Bluetooth V2.1 に対応している必要があります。
(自分のスマホ(galaxy s8)で動作を確認しています。)
完成品は、コネクタ付きです。


2.機能
 ●2つのローテーションサーボ制御
 ●前進速度2段
 ●超信地旋回モード
 ●低速バック
 ●バッテリー過放電防止のための電圧検出
 ●SW出力



3.仕様
 ●電源電圧 5 〜12V(NiーMH4〜8セル 、 リポ2〜3セル)
 ●サーボ用出力 5V 、 6A_max(2つのサーボの合計電流)
 ●SW出力 100mA_max
 ●バッテリー電圧低下検出レベル 4.0V、5.0V、6.2V、9.3V選択可能
 ●消費電流 20mA〜50mA(無負荷時)
 ●外形 46*21*10(縦*横*高さ)
 ●重量 8.6g (コネクタ含む)
 ●通信距離 約30m
 ●対応スマホ : Android OSで Bluetooth V2.1に対応していること。



4.回路図




5.部品表
番号  部品名  品番(仕様)   メーカー  備考 
 MD1  Bluetooth無線モジュール  RN-42  Microchip Technology  デフォルトのままで、特別な設定は必要ありません。
 MD2  DC-DCコンバータ モジュール  OKL-T/6-W12  ムラタ  
 IC1  三端子レギュレータ  S-812C33  ABLIC  
 IC2  マイコン  ATmega88A-AU  Microchip Technology  
 Q1  抵抗内臓トランジスタ  RN1105  東芝  
 Q2〜Q3  抵抗内臓トランジスタ  RN1102  東芝  
 C1  アルミ電解コンデンサ  47uF/16V    
 C2,C6〜C7  セラミック・コンデンサ  0.1uF/50V    
 C3  セラミック・コンデンサ  2.2uF/16V    
 C4  タンタル・コンデンサ   47uF/10V    
 C5  セラミック・コンデンサ  10uF/10V    
 C8  セラミック・コンデンサ  47uF/10V    
 R1  チップ抵抗  10kΩ    
 R2  チップ抵抗  3.3kΩ    
 R4〜R5  チップ抵抗  2.2kΩ    
 R6  チップ抵抗  1.33kΩ    
 XT1  セラミック発振子  CSTCR7M37G53A-R0  ムラタ  



6.マイコンプログラム
自作する場合は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
下記ファイルをダウンロードしてマイコンへの書き込みを行って下さい。
(右クリックで ”対象をファイルに保存” を選択)

srt200.hex

プログラム書き込み時の設定
・FUSE   0xFF 0xDE 0x77
・LOCK 0xFF



7.スマホアプリのインストール
本回路は、スマホから操作しますので、スマホにアプリをインストールする必要があります。
下記ファイルをパソコンにダウンロードし、解凍してSRT20.APKというファイルにしてから、DropBox等を使ってスマホにファイルを取り込むのが簡単かもしれません。

srt20.zip

スマホに取り込まれた”SRT20.APK”というファイルをタップすると、「このアプリケーションをインストールしますか?」みたいなメッセージが出てきますので、
(信頼していただければですが)インストールを実行します。
最後に「インストール完了」のメッセージが表示されれば、インストール成功です。
以下のアプリが、スマホ画面のどこかにできているはずです。
(本当はSRT20なのですが、アイコンの表示がSRT10となってしまいました。SRT10のソフトを修正して制作したのが原因と思われます。ご勘弁!!)





8.配線図
配線は、下図を参照してください。






9.使い方
9.1 DIP SWの設定
DIP SW1、2は、バッテリー電圧低下検出の電圧設定用です。
下表を参照に設定してください。
  1   2   下限電圧設定値
 OFF   OFF   4.0V (Ni-Mh 4セル)
 ON  OFF   5.0V (Ni-Mh 5セル)
 OFF  ON   6.2V (Li-Po 2セル)
 ON  ON   9.3V (Li-Po 3セル)

DIP SW3、4は、サーボの回転方向設定用です。(通常は右サーボの回転方向を反転させることになるかと思います。)
下表を参照に設定してください。
  3   4  左サーボ回転方向  右サーボ回転方向
 OFF  OFF  ノーマル  ノーマル
 ON  OFF  リバース  ノーマル
 OFF  ON  ノーマル  リバース
 ON  ON  リバース  リバース

9.2 本システムは、スマホのBluetoothを利用しますので、事前にペアリングを行っておく必要があります。
 ペアリングするときにMAC IDと呼ばれる固有のコードが表示されますので、そのコードを覚えておきます。(下2桁くらいで十分)
 (MAC IDは、回路基板に実装されているBluetoothモジュールに記載されています)

9.3 通信開始
@スマホのアプリ(SRT20)を開く。(アプリのアイコン表示は”SRT10"となっています。)
A回路(SRT20)の電源をONする。
Bアプリの”BT List”をタップする。
Cペアリング済みのBluetoothリストが表示されますので、回路基板に実装されているBluetoothモジュールのMAC IDを選択します。
Dスマホの”connect”をタップする。
E暫く待つとスマホと回路の間にBluetooth通信が確立します。通信が確立するとスマホに操作用の画面が現れます。
F終了するときは”dis connect”をタップしてください。

9.4 操作
操作は、高速前進、低速前進、低速バック、右旋回、左旋回の5アクションです。(同時に2ヶ所以上のボタン押しは無効です。)
ボタンを押ししている間は、モーターが回転し、指を離すとモーターは停止します。
中央の”S”は、モーター停止ですが、指を離すとモーターは停止しますので、通常は使う必要はありません。
左右のモーターの速度バランスが悪くてまっすぐに走行しない場合は、スライドバーで直進補正することができます。(直進補正は、前進のみでバックでの直進補正は行っていません。)
また、LED等の軽負荷をドライブできるSW出力があります。




10.その他使用上の注意
・Bluetoothがうまく繋がらない場合は、”dis connect”をタップしてから接続を試してみてください。
・SW出力を使ってLEDを点灯させたい場合は、LEDと直列に470Ω〜1kΩ程度の抵抗を挿入してください。
・バッテリー電圧の低下を検知するとモーターは停止しますが、再度ボタンを押すとモーターは再起動します。



11.動画

https://youtu.be/pLznNkGcnnM