SRT10

スマホラジコン ツインモータ用                      2019/10/06




1.概要
スマートフォン(スマホ)で操作するツインモータ制御回路です。通信にはBluetoothを使っています。
モーターの操作は、スマホ画面タップすることで低速前進、高速前進、超信地右旋回、超信地左旋回、低速バックだけの単純操作としましたので、小学校低学年の子供でも操作できるかと思います。
左右モーターパワーのアンバランスを補正するスライドバーを設けました。
また、おまけ機能としてLED等の軽負荷ドライブができるSW出力を1チャンネル設けています。
使えるスマホは、Android OS専用でiPhoneには対応していません。また、Bluetooth V2.1 に対応している必要があります。
スマホ側のアプリは、MIT APP INVENTOR2 というブロックプログラミング言語で制作しました。
(自分のスマホ(galaxy s8)で動作確認しました。)



2.機能
 ●2モータ制御
 ●前進速度2段
 ●超信地旋回モード
 ●低速バック
 ●バッテリー過放電防止のための電圧検出
 ●SW出力


3.仕様
 ●電源電圧 4.0〜12V(NiーMH4〜8セル 、 リポ2〜3セル)
 ●負荷電流 10A (連続)
 ●SW出力 100mA_max
 ●バッテリー電圧低下検出レベル 4.0V、5.0V、6.2V、9.3V選択可能
 ●消費電流 20mA〜50mA(無負荷時)
 ●外形 57*28*8(縦*横*高さ)
 ●重量 6.6g
 ●通信距離 約30m
 ●対応スマホ : Android OSでBluetooth V2.1に対応していること。



4.回路図




5.部品表
番号  部品名  品番(仕様)   メーカー  備考 
 MD1  Bluetooth無線モジュール  RN-42  Microchip Technology  デフォルトのままで、特別な設定は必要ありません。
 IC1  三端子レギュレータ  S-812C33  ABLIC  
 IC2  マイコン  ATmega88A-AU  Microchip Technology  
 IC3〜IC6  FETドライバ  MCP1402  Microchip Technology  
 IC7〜IC8  NORゲート  TC74HC02  東芝  
 Q1  抵抗内臓トランジスタ  RN1105  東芝  
 Q2〜Q5  抵抗内臓トランジスタ  RN1102  東芝  
 Q6〜Q9  Pch MOSFET  HAT1072H  ルネサスエレクトロニクス  
 Q10〜Q13  Nch MOSFET  HAT2164H  ルネサスエレクトロニクス  
 C1  アルミ電解コンデンサ  47uF/16V    
 C2,C6〜C8,C11,C14〜C19  セラミック・コンデンサ  0.1uF/50V    
 C3  セラミック・コンデンサ  2.2uF/16V    
 C4  タンタル・コンデンサ  47uF/10V    
 C5  セラミック・コンデンサ  10uF/10V    
 C9〜C10,C12〜C13  セラミック・コンデンサ  1uF/25V    
 R1  チップ抵抗  10kΩ    
 R2  チップ抵抗  3.3kΩ    
 R4〜R5  チップ抵抗  10kΩ    
 R6〜R9  チップ抵抗  2.2kΩ    
 R10〜R13  チップ抵抗  33Ω    
 XT1  セラミック発振子  CSTCR7M37G53A-R0  ムラタ  



6.マイコンプログラム
自作する場合は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
下記ファイルをダウンロードしてマイコンへの書き込みを行って下さい。
(右クリックで ”対象をファイルに保存” を選択)

srt100.hex

書き込み時の設定
・FUSE   0xFF 0xDE 0x77
・LOCK 0xFF



7.スマホアプリのインストール
本回路は、スマホから操作しますので、スマホにアプリをインストールする必要があります。
下記ファイルをパソコンにダウンロードし、解凍してSRT10.APKというファイルにしてから、DropBox等を使ってスマホにファイルを取り込むのが簡単かもしれません。

srt10.zip

スマホに取り込まれた”SRT10.APK”というファイルをタップすると、「このアプリケーションをインストールしますか?」みたいなメッセージが出てきますので、
(信頼していただければですが)インストールを実行します。
最後に「インストール完了」のメッセージが表示されれば、インストール成功です。
以下のアプリが、スマホ画面のどこかにできているはずです。





8.配線図






9.使い方
9.1 DIP SWの設定
DIP SWは、バッテリー電圧低下検出の電圧設定用です。
下表を参照に設定してください。

  1   2   3 (予備)  4 (予備)  下限電圧設定値
 OFF   OFF   OFF   OFF   4.0V (Ni-Mh 4セル)
 ON  OFF   OFF   OFF   5.0V (Ni-Mh 5セル)
 OFF  ON   OFF   OFF   6.2V (Li-Po 2セル)
 ON  ON   OFF   OFF   9.3V (Li-Po 3セル)


9.2 本システムは、スマホのBluetoothを利用しますので、事前にペアリングを行っておく必要があります。
 ペアリングするときにMAC IDと呼ばれる固有のコードが表示されますので、そのコードを覚えておきます。(下2桁くらいで十分)
 (MAC IDは、回路基板に実装されているBluetoothモジュールに記載されています)


9.3 通信開始
@スマホのアプリ(SRT10)を開く。
A回路(SRT10)の電源をONする。
Bアプリの”BT List”をタップする。
Cペアリング済みのBluetoothリストが表示されますので、回路基板に実装されているBluetoothモジュールのMAC IDを選択します。
Dスマホの”connect”をタップする。
E暫く待つとスマホと回路の間にBluetooth通信が確立します。通信が確立するとスマホに操作用の画面が現れます。
F終了するときは”dis connect”をタップしてください。


9.4 操作
操作は、高速前進、低速前進、低速バック、右旋回、左旋回の5アクションです。(同時に2ヶ所以上のボタン押しは無効です。)
ボタンを押ししている間は、モーターが回転し、指を離すとモーターは停止します。
中央の”S”は、モーター停止ですが、指を離すとモーターは停止しますので、通常は使う必要はありません。
左右のモーターの速度バランスが悪くてまっすぐに走行しない場合は、スライドバーで直進補正することができます。
また、LED等の軽負荷をドライブできるSW出力があります。




10.その他使用上の注意
・Bluetoothがうまく繋がらない場合は、”dis connect”をタップしてから接続を試してみてください。
・SW出力を使ってLEDを点灯させたい場合は、LEDと直列に470Ω〜1kΩ程度の抵抗を挿入してください。
・バッテリー電圧の低下を検知するとモーターは停止しますが、再度ボタンを押すとモーターは再起動します。



11.動画

https://youtu.be/zqM0ZG3tCDc