1.概要
ハイパワーLEDをストロボのようにピカッ、ピカッツと発光させるための回路です。
しかも、4系統のLEDの発光パターンを自由にプログラムできます。
あなたのラジコン機、ラジコンカーをハイパワーLEDでドレスアップしてはいかがでしょうか。
2.仕様
・機能 : ハイパワーLEDフラッシュ点灯回路
・バッテリー電圧 : 6.0〜12.0V
・LED電流 : 640mA
・消費電流 : 3.0mA at 電源電圧=7.4V
・基板外形 : 60*34*15 (縦*横*高さ)
・重量 : 8.2g
3.回路図
4.部品表
部品番号 | 品名 | 品番 | 仕様 | メーカー | 備考 |
IC1 | 5Vレギュレータ | S-812C50A-MC | . | SII | . |
IC2 | マイコン | ATtiny2313V | . | ATMEL | . |
IC3 | OPアンプ | LM324 | . | National Semiconductor | 他メーカ品でも可 |
Q1〜Q4 | FET | 2SK2159 | . | NEC | . |
PC1 | フォトカプラ | TLP521-1 | . | 東芝 | . |
R2 | 抵抗 | . | 220Ω | . | . |
R3〜R6 | 抵抗 | . | 6.8kΩ | . | . |
R7〜R10 | 抵抗 | . | 1kΩ | . | . |
R11〜R14 | 抵抗 | . | 1Ω | . | . |
C1 | セラミック・コンデンサ | . | 0.47uF/25V | . | . |
C2 | タンタル・コンデンサ | . | 47uF/10V | . | . |
C3〜C4 | セラミック・コンデンサ | . | 0.1uF/25V | . | . |
SW1 | DIPスイッチ | . | . | . | 4bit |
SW2 | ロータリーコードスイッチ | SRQV101G | . | アルプス電気 | 4bitで0〜15(F)まであるコードスイッチなら他でも可 |
SW3 | タクトスイッチ | . | . | . | . |
5.マイコン プログラムのダウンロード
本回路はマイコンを使っていますので、自作する方は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
圧縮形式ですので、下記ファイルをダウンロードした後、解凍してHEXファイルにしてからマイコンへの書き込みを行って下さい。
書き込みを行う際に、プログラムメモリの0x3FE番地のローバイトに4MHzOSCキャリブレーションデータを書き込んで下さい。
sf300.zip
設定
・FUSE bit 拡張(11111111B) 上位(11111100B) 下位(11100010B)
SELFPROGEN:1
DWEN:1
EESAVE:1
SPEN:1
WDTON:1
RSTDISBL:1
BODLEVEL2:1
BODLEVEL1:0
BODLEVEL0:0
CKDIV8:1
CKOUT:1
SUT1:0
SUT0:0
CKSEL3:0
CKSEL2:0
CKSEL1:1
CKSEL0:0
・LOCK bit (11111111B)
LB1:1
LB2:1
6.回路の説明
ハイパワーLEDをフラッシュ点灯させる回路です。50msecと短い時間LEDに通電することで、ストロボのように発光させます。
LEDの出力回路は、定電流回路になっていますので、バッテリーの電圧が多少変動してもLEDに流れる電流は変化しません。LEDに流れる電流は約640mAに設計してありますので、使用するLEDは最大電流の定格が、640mA以上のものを使用するようにします。
通常、ハイパワーLEDは連続点灯させると発熱するため、放熱フィンを付ける必要がありますが、本回路ではLED発光の間隔をある程度長くすることで、LEDの発熱は少なくなるため放熱フィンなしでも大丈夫です。
7.配線の説明
配線は下図を参照して下さい。
受信機からの配線については、GNDと信号線のみで、+4.8Vの電源線は接続不要です。基板上には、GNDと信号の間にパッドがありますが、内部はオープンですから、+4.8Vをそこに接続しておいても構いません。
受信機からの配線とバッテリーはフォトカプラで絶縁してあり、別電源にすることが可能です。
勿論、BECを使い動力用バッテリーと受信機の電源を共用したシステムについても問題なく使用できます。(下図参照)
7.使い方
本回路を初めて使う場合は、まずはじめに、LEDの発光パターンをプログラムする必要があります。
LEDは、50msecの短い時間発光し、その後消灯します。この発光と消灯している時間を1ステップとしてプログラムしていきます。LED発光時間50msecは固定で変更することは出来ません。どの系統のLEDを発光させるかはスイッチ1で設定し、LEDの消灯時間はスイッチ2で設定します。消灯時間は0.1秒から1.5秒までセット可能で、これはスイッチ2のダイヤルの1〜15に対応しています。もし、待ち時間を1.5秒より長くしたい場合は、LEDをすべてオフにして消灯時間だけのステップを追加することで可能です。
プログラムは、最大で127ステップまでプログラム可能です。また、一旦プログラムされた発光パターンは、不揮発メモリに記憶されるため、電源を切っても消えずに保存されます。
プログラムは、何度でも書き換えが可能です。
プログラム方法について、例をあげて説明します。
プログラム例
1系統のLEDを発光後1秒待つ→2系統のLEDを発光後1秒待つ→3系統のLEDを発光後1秒待つ→4系統のLEDを発光後2秒待つ→1〜4系統すべてのLEDを発光後1秒待つ。
以上の動作を繰り返す。(下図参照)
1.スイッチ3を押す。(押したままにする)
2.バッテリーを接続する。
3.2秒以上待ってから、スイッチ3をオフする。
4.スイッチ1の1のみをONにする。かつ、スイッチ2を10にセットする。
5.スイッチ3を押す。(押して離す)
6.スイッチ1の2のみをONにする。かつ、スイッチ2を10にセットする。
7.スイッチ3を押す。(押して離す)
8.スイッチ1の3のみをONにする。かつ、スイッチ2を10にセットする。
9.スイッチ3を押す。(押して離す)
10.スイッチ1の4のみをONにする。かつ、スイッチ2を15にセットする。
11.スイッチ3を押す。(押して離す)
12.スイッチ1の1〜4すべてOFFにする。かつ、スイッチ2を5にセットする。
13.スイッチ3を押す。(押して離す)
14.スイッチ1の1〜4すべてONにする。かつ、スイッチ2を10にセットする。
15.スイッチ3を押す。(押して離す)
16.スイッチ1の1〜4すべてをOFFにする。かつ、スイッチ2を0にセットする。
17.スイッチ3を押す。(押して離す)
18.バッテリーを外す。
以上でプログラム完了です。
補足説明すると、上記1〜3は、プログラムモードへの移行を行っています。プログラムするだけでしたら、受信機への接続は不要です。
上記4〜15までが、LEDの発光パターンを書き込んでいる部分です。特に14〜15の部分は、消灯時間2secを作るため、0.5secの消灯時間を追加しています。
上記16〜17は、発光パターンの最後を示す記号のようなもので、スイッチ1の1〜4すべてをオフ、スイッチ2を0にセットします。この部分を書き込まないと、発光パターンの最後がわからなくなってしまうので、必ず書き込んでください。マイコンは、この部分を最後と判断し、発光パターンを始めから繰り返します。
プログラムが完了したら、受信機の空きチャンネルに信号とGND線を接続、さらにバッテリーを接続すれば準備完了です。
送信機のスティック操作(又はスイッチ操作)でパルス幅1.7msec以上にするとLEDが発光を始めます。パルス幅1.7msec以下にすると発光を中止します。
8.使用上の注意
LEDが発光する瞬間、LED及びLEDを駆動しているがFETが発熱し、消灯している時間に放熱します。つまり、発光動作を行っている間は、発熱と放熱を繰り返していることになります。放熱時間(LED消灯時間)が短くなると発熱が大きくなりますので、原則としてLED消灯時間は0.5sec以上に設定して下さい。0.4sec以下にしたい場合は、連続で2〜3秒以内にとどめてたほうが無難です。どの程度発熱するかは、バッテリー電圧、LEDなどによって変わってきますので、実際に発光動作させながら、FETやLEDを指で触れて熱くなっていないか確かめてみるとよろしいかと思います。多少熱い程度なら問題ありません。
バッテリー電圧が高い場合、2個のLEDを直列接続して使うこともできます。リポ2セルならLED1個までですが、リポ3セルならLED2個の直列接続が可能で、むしろ直列接続した方がFETの発熱は小さくなります。(下図参照)
使用するLEDは、順方向電圧が3〜4V程度のものを想定しています。しかし、LEDの中には順方向電圧が7〜8Vと高いものもあります。このようなLEDは、リポ3セルなら点灯可能ですが、リポ2セルの電圧では、点灯が困難になります。
参考までに推奨LEDを下表に示します。
発光色 | 品番 | メーカー |
白 | LXK2-PWC4-0200 | Luxeon |
青 | LXK2-PB14-P00 | Luxeon |
緑 | LXK2-PM14-U00 | Luxeon |
赤 | LXK2-PD12-R00 | Luxeon |
橙 | LXK2-PL12-R00 | Luxeon |