TMK2



1.特徴
プッシャータイプのインドア用RC機です。
プッシャータイプにした理由は、安全性を考慮したのと壁などにぶつかった時モータ、プロペラへのダメージを少なくしたかったからです。しかし、モータを主翼の後ろに配置してみると、どうしてもテールヘビーなってしまいバランスがとれませんでした。そこで、モータとプロペラをカーボンシャフトで連結することで、モータを前方に移動しバランスをとることができました。
主翼、水平尾翼、車輪は取り外し式となっており、分解すれば非常にコンパクトになり、持ち運びが楽です。
車輪をつければ、3輪式にもかかわらず、ラダー操作で地上タキシングも思いのままで、自力で楽々離陸できます。
エレベータなしのラダーオンリー機なので、上昇、下降はエンコン操作で行います。
安定性、操縦性とも文句なしで、とても気に入っている機体です。


2.テクニカル・データ
・全長   : 289mm
・全幅   : 300mm
・全備重量  : 14.2g
・主翼取り付け角 : 3°
・水平尾翼取り付け角 : 0°
・主翼上反角 : 0°
・モータダウンスラスト : 0°
・モータサイドスラスト : 0°
・動力用モータ  : MK07−3.3 (Φ7mm コアレス オレンジ・モーター)
・ラダーアクチュエータ : MK04−40 (Φ4mm コアレスモータ)
・プロペラ : P5720 (ダイヤ57mm)
・バッテリー : FR130C リチウム・ポリマー・バッテリー 1セル (130mAH)
・受信機   : MINOR−FRAT
・車輪    : WEEL20 (Φ20mm)
・コントロール  : ラダー、エンコン (2ch)
・連続飛行時間 : 約15分


3.寸法図



5.作り方
受信機、モータ、バッテリーなどほとんどのパーツは、http://www.cityfujisawa.ne.jp/~toko/ 又はhttp://www5e.biglobe.ne.jp/~e-plane/ から購入できます。
胴体、翼ともに発泡スチロールで作ります。
胴体は10mm厚、主翼、尾翼は2.5mm厚となっていますが、2.5mm厚の発泡スチロールは、ニクロム線を使い2.5mm厚にスライスして作ります。
発泡スチロールの接着は、有機溶剤系の接着剤は発泡スチロールを溶かしてしまうので使えません。私は、主として木工用ボンドとセメダインスーパーXGを使っています。
発泡スチロールどうしの接着には木工用ボンド、発泡スチロールとモータの接着にはセメダインスーパーXGという具合に使い分けています。


プロペラは、Uー80をカットしてダイヤを60くらいにして使うこともできます。いずれにしましても、プロペラは、バランスをとってから使います。
バランスのとり方ですが、私はプロペラの軸に針のような細い棒を通してプロペラを地面に対して垂直にして手で回転させてみます。プロペラの重い側は下になって止まる確率が高いです。この操作は一度ではなく何度か繰り返して様子をみます。重い側が判明したら、重い側をサンドペーパーなどで削って薄くします。この操作をバランスがとれるまで繰り返します。モータとプロペラは、Φ1mmのカーボンロッドで接続します。プロペラとカーボンロッドは、プロペラの軸穴をリーマーなどで内径1mm近くまで拡大します。リーマには、写真のような浅いテーパーのものを使うと便利です。



モータとカーボンロッドは、ゴム管で接続しました。なかなかちょうど良い内径のゴム管がないのですが、私はシリコン被服電線の被服部分を使いました。
また、プロペラ付近にはカーボンシャフトの軸受け(カラー)を取り付けます。
軸受けは、内径Φ1mmのテフロン管を使いました。テフロンは接着できないので、写真のようにアルミ管にテフロン管を圧入します。これで接着可能となります。
カーボンシャフトとテフロン管のクリアランスは重要で、きつすぎるとパワーが出ませんし、モータにも余分な負荷がかかってしまいます。反対にゆる過ぎるとガタがでて騒音の原因になります。リーマなどを使ってテフロン管の内径を、ガタがなく、しかも弱い風で回るくらいに調節しましょう。
カーボンシャフトは、胴体内部に穴をあけて通すようにします。
 


ラダーの駆動には、マグネットアクチュエータを使う人が多いですが、私はモータをアクチュエータとして使っています。モータを使うメリットは、マグネットアクチュエータのようにマグネットが露出していないので、屋外で飛行させても砂鉄の付着が気にならないことです。
ラダーヒンジは、いろいろな材料を試してみましたが、今のところゴムが一番です。輪ゴムだと強すぎるので、輪ゴムを縦に裂いて1/4位の太さにして使います。帽子のあご紐用のゴムやパンツのゴムに使われている細いゴムもお勧めです。
ラダーは2mm程度隙間を空けて取り付けます。ヒンジをラダー上部に接着し、アクチュエータ用モータの出力軸にゴム管を取り付け、そのゴム管にラダーを接着します。
 


車輪は、写真のような構造で、車軸は、Φ1mmのカーボンロッドを使います。
胴体側には、内径1.2mm程度の樹脂製の管を接着し、その穴に車軸を通して車輪を取り付けますが、何度も荒っぽい離着陸を繰り返すと樹脂管が胴体から取れてしまいますので、写真のように樹脂管にバルサか樹脂の板を接着します。胴体側にはカッターで切れ目を入れておいて、樹脂管に付けた板に接着剤を塗り先ほどつけた胴体の切れ目に差し込むようにして接着すると丈夫になります。
3輪式といっても前輪は2つの車輪で挟み込むよに取り付けますまら、正確には4輪式でしょうか。
車輪はWEEL20の軸穴を拡大してゴム管を接着挿入しました。これで簡単にカーボンの車軸と脱着可能です。
主脚は、長さ85mmのカーボンロッドですが、左右に動いてしまいますので、中央付近にゴム管を挿入して左右に動かないようにしています。前輪も同様ですが、取り付ける時に1mm程度は隙間を空けましょう。さもないと車輪がゴム管との摩擦で回りにくくなってしまいます。
  


主翼は、胴体にM2の樹脂ネジで固定しますので、主翼には2mmネジを通すための穴を2箇所空けます。片方の穴は、長穴にしておくと多少の寸法誤差を吸収してくれます。また、穴の周りは薄い樹脂板を張って補強します。コンビニでなどで売っているサンドウィッチのパックの透明樹脂部分が軽くてお勧めです。
主翼は、Φ0.7mmのカーボン、又は竹ひごなどを主翼の下に接着して補強します。補強は、ガチガチに強くするよりも、飛行中主翼が少々たわむ位の補強が良いと思います。
   

主翼を固定する胴体側は、ざぐりを入れてその中にM2の樹脂ナットを接着しておきます。勿論、主翼を取り外し式にしないのでしたら接着してもかまいません。水平尾翼は、胴体につけた切込み部に差し込むだけで特に固定はしていません。



受信機は、胴体側面に両面テープか接着剤で貼り付け、バッテリーは胴体に空けた穴に挿入します。
 


分解するとこんなにコンパクトになります。100円ショップで売っているA4サイズ書類用ケースに3機は収納できますよ。



この機体の工作で一番大変なのは、モータとプロペラをカーボンシャフトで接続するところです。
プッシャー方式にこだわらなければ、普通の飛行機のようにプロペラを前に取り付けても良いでしょう。飛行性能の差は特にありません。
その場合は、写真のようにモータを接着します。
ダウンスラストは5°、サイドスラストは0°です。
機体重心が合うようにバッテリーの取り付け位置を図面の位置よりやや後方にします。



6.飛行の様子(ムービー)

http://www.youtube.com/watch?v=MQUt93VOBHg