MS10
潜水艦用モータスピードコントローラ



1.概要
 RC潜水艦用のブラシモータ専用のモータスピードコントローラです。
RCカー用スピコンとの違いは、マグネットスイッチによって外部から磁石を近づけることで電源のオン/オフができることです。
マグネットスイッチには、リードスイッチを使いました。


2.仕様
・機能            : マグネットスイッチ付きブラシモータスピードコントローラ
・電源            : NiCd、NiMh:6〜10セル /リポ:2〜3セル
・BEC電流         : 2A(ピーク)
・負荷電流         : 10Amax
・オートカット検出電圧  : 5V、6V、9Vのいずれかの電圧に設定可
・電源オフ時の消費電流 : 25μA (@7.4V)
・基板外形         : 52*20*10 (縦*横*高さ)
・重量            : 6.0g+1.5g(リードスイッチハーネス)


3.回路図



4.部品表

. 品名 品番 仕様 メーカー
IC1 マイコン ATtiny261V . Microchip Technology
IC2 三端子レギュレータ uPC24A05H . NEC
IC2 三端子レギュレータ S-812C50AMC . SII
Q1 抵抗内臓トランジスタ RN1102 . 東芝
Q2 抵抗内臓トランジスタ RN1102 . 東芝
Q3 抵抗内臓トランジスタ RN1102 . 東芝
Q4 抵抗内臓トランジスタ RN1102 . 東芝
Q5 抵抗内臓トランジスタ RN1102 . 東芝
Q6 抵抗内臓トランジスタ RN1102 . 東芝
Q7 EFT 2SJ208 . NEC
Q8 EFT HAT1072H . ルネサステクノロジ
Q9 EFT HAT1072H . ルネサステクノロジ
Q10 EFT HAT2164H . ルネサステクノロジ
Q11 EFT HAT2164H . ルネサステクノロジ
LED1 LED(緑) APTL3216SURCK . KINGBRIGHT
C1 チップセラミックコンデンサ . 1uF/25v .
C2 チップタンタルコンデンサ . 47uF/10V .
C3 アルミ電解コンデンサ . 47uF/25V .
C4 チップセラミックコンデンサ . 0.47uF .
C5 チップタンタルコンデンサ . 47uF/10V .
C7 チップセラミックコンデンサ . 0.1uF/16V .
C8 チップセラミックコンデンサ . 0.1uF/16V .
C9 チップセラミックコンデンサ . 0.1uF/25V .
C10 チップセラミックコンデンサ . 0.1uF/25V .
C11 チップセラミックコンデンサ . 0.1uF/25V .
C12 チップセラミックコンデンサ . 0.1uF/16V .
C13 チップセラミックコンデンサ . 0.1uF/16V .
R1 チップ抵抗 . 10kΩ .
R2 チップ抵抗 . 47Ω .
R5 チップ抵抗 . 1kΩ .
R6 チップ抵抗 . 10kΩ .
R7 チップ抵抗 . 3.3kΩ .
R8 チップ抵抗 . 330Ω .
R9 チップ抵抗 . 3.3kΩ .
R10 チップ抵抗 . 3.3kΩ .
R11 チップ抵抗 . 1kΩ .
R12 チップ抵抗 . 1kΩ .
その他 リードスイッチ MITI-3V1 6-12.5 . Hamlin Electronics



5.マイコン プログラムのダウンロード
本回路はマイコンを使っていますので、自作する方は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
圧縮形式ですので、下記ファイルをダウンロードした後、解凍してHEXファイルにしてからマイコンへの書き込みを行って下さい。
書き込みを行う際に、プログラムメモリの最終番地(0x1FF)のローバイトにOSCキャリブレーションデータを書き込んで下さい。

ms101.zip

設定
・FUSE bit EX:(11111111B) H:(01111101B) L:(11000010B)

SELFPRGEN:1

RSTDISBL:0
DWEN:1
SPIEN:1
WDTON:1
EESAVE:1
BODLEVEL2:1
BODLEVEL1:0
BODLEVEL0:1

CKDIV:1
CKOUT:1
SUT1:0
SUT0:0
CKSEL3:0
CKSEL2:0
CKSEL1:1
CKSEL0:0


・LOCK bit (11111111B)

LB1:1
LB2:1


6.配線の説明
 配線は下図を参照して下さい。




7.使い方
7.1 初期設定
 本回路を動作させるには、フルバックポジション、フルハイポジション、ニュートラルポジション、オートカット検出電圧をマイコンのメモリに記憶させる必要があります。
一度初期設定すれば、バッテリーを外しても設定内容は保存されます。また、初期設定は、何度でも設定し直すことが出来ます。
(フルバック→パルス幅1.0msec、フルハイ→パルス幅2.0msec、ニュートラル→パルス幅1.4msec、オートカット検出電圧→6Vがデフォルト値として設定されています。)
注意 : フタバ製のプロポはエンコンをリバースモードに、それ以外のポロポはエンコンをノーマルモードに設定して下さい。
初期設定は下記の手順で行います。
@.スピコンにバッテリーを接続する。
A.送信機をONし、エンコンをフルバックにする。
B.磁石をリードスイッチに近づけてスピコンの電源をオンする。(一瞬基板上のLEDが点灯し、その後消灯します。)
C.約5秒後、LEDが光ったら、エンコンをフルハイにする。
D.約5秒後、LEDが光ったら、エンコンをニュートラルにする。
E.約5秒後、LEDが光ったら、エンコンをフルバック or ニュートラル or フルハイにする。 (フルバックの場合オートカット電圧が5V   ニュートラルの場合オートカット電圧が6V、   フルハイの場合オートカット電圧が9Vです。)
F.約5秒後、LEDが光ったら、エンコンをフルバックにする。
G.約5秒後、LEDが1〜3回長く光ります。 (光る回数は、オートカット電圧を表しています。1回の時は5V、2回の時は6V、3回の時は9V設定なので、オートカット電圧を 確認できます。)
H.自動的にパワーオフします。
以上で初期設定終了です。
 初期設定に失敗すると基板上のLEDが速い周期で点滅を繰り返しますので、マグネットスイッチで一旦パワーをオフしてから初期設定を初めからやり直してください。
 オートカット電圧は、NiCd、NiMhの場合6セルなら5V、7〜8セルなら6V、10セルなら9V、リポの場合2セルなら6V、3セルなら9Vが適当です。


7.2 通常動作
 配線を完了してからバッテリーを接続します。(バッテリーを接続した段階では、回路はまだオフ状態です。)
次に磁石をリードスイッチに近づけます。(確実に動作させるため、磁石は1秒間くらい近づけてください。)
基板のLEDが点灯して動作可能状態となります。(LEDは一瞬消えますが、すぐに点灯します。)
あとは、通常のスピコンとして動作します。
バッテリー電圧が低下して、オートカット検出電圧になると自動的にパワーを絞ってオートカット電圧を下回らないように制御します。走行中、パワーが落ちてきたと感じたら、バッテリーが切れかかっていますので、早めに船を回収しましょう。
 電源を切る場合は、電源オンの時と同じように1秒間程度磁石をリードスイッチに近づけます。すると、基板上のLEDが消灯してパワーオフします。
パワーオフ状態では、BEC電源も遮断されますので、受信機、サーボへの電源供給もオフします。


8.使用上の注意
 リードスイッチをオン/オフする場合は、磁石のS極でもN極でも構いませんが、磁石をリードスイッチ本体の横ではなく、リードスイッチの先端に近づけるようにしないとうまく動作しませんので、ご注意ください。(下図参照)
  

 本回路は、マグネットスイッチでパワーをオフできます。パワーオフ状態では、消費電流は25μAと少なく、数日間そのまま置いてもバッテリーが過放電になる心配はまずありませんが、使用後は安全のためバッテリーを外して下さい。