1.概要
この装置は、RC潜水艦用に製作したもので、コンピュータプロポのいわゆるフェイル・セーフ機能ですが、この機能が働くまでの時間を長くしたものです。
通常のフェイルセーフ機能は、送信機からの電波信号が途絶えた場合、受信機が予め設定したサーボ信号を出力するようになっており、電波信号が途絶えてから0.5秒程度でフェールセーフ機能が働くようです。
RC潜水艦が潜水中に、電波信号が途絶えた場合は、フェイルセーフ機能を使って、バラストタンクをブローし、浮上させることが考えられますが、電波信号の途絶えが頻発するRC潜水艦では、ブローが頻繁し、非常に使いにくいものになってしまいます。
そこで、受信機からのサーボ信号(例えばラダー)をモニタして、一定時間(0.5秒ではなく60秒と長い時間)信号に変化がなくなった場合、電波信号の途絶えと判断して、バラストタンクをブローさせようというものです。
バラストタンクブローを持たないダイナミカルダイブの場合は、スロットルをOFFにすれば船体を浮上させることができるので、フェイルセーフ機能が働くまでの時間については、バラストタンクブロー用として60秒後動作、ダイナミカルダイブ用として5秒後動作の2タイプを用意しました。
コンピュータプロポではないPPM方式のプロポでも電波信号の途絶えを検出するので、コンピュータプロポの場合と同様に動作します。
フェイルセーフモードに移行した後、電波状況が回復すれば、フェイルセーフが働く前の状態に戻ります。
2.機能
●フェイルセーフ機能
3.仕様
●電源電圧 : 4.0V〜6.0V
●外形 : 32*11*4(縦*横*高さ)
●重量 : 5.2g(コネクタ含む)
●フェイルセーフモードに移行するまでの時間
FS20_5S : 約5秒
FS20_60S : 約60秒
4.回路図
5.部品表
部品名 |
番号 |
品番(仕様) |
メーカー |
IC |
IC1 |
ATtiny13A |
Microchip Technology |
トランジスタ |
Q1 |
RN1102 |
東芝 |
トランジスタ |
Q2 |
RN1102 |
東芝 |
コンデンサ |
C1 |
0.1uF/25V セラミック・コンデンサ |
|
コンデンサ |
C2 |
0.1uF/25V セラミック・コンデンサ |
|
抵抗 |
R2 |
100Ω |
|
抵抗 |
R3 |
10kΩ |
|
ボリューム |
VR1 |
10kΩトリマポテンショメータ |
|
6.マイコン プログラムのダウンロード
自作する方は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
圧縮形式ですので、下記ファイルをダウンロードした後、解凍してHEXファイルにしてからマイコンへの書き込みを行って下さい。
5秒後動作タイプ
FU200_5S
60秒後動作タイプ
FU200_60S
設定
・FUSE (0xFD,0x69)
・LOCK (0xFF)
7.配線図
配線は、下図を参照してください。(完成品はJRコネクタ付きです。)
8.調整および使い方
上図を参考に受信機とサーボの間に本回路を挿入します。図では、モニタチャンネル入力はラダー入力となっていますが、これは、信号をモニタするためのチャンネルですので、頻繁に操作するチャンネルであれば、ラダー以外でも構いません。
プロポ側の設定は、フェイルセーフモードではなく、ホールドモード(最後に受信した信号をキープするモード)に設定しておきます。
PPM方式のプロポ(コンピュータプロポ以外)の場合は、電波信号の途絶えを検出しますので、プロポ側の設定は特に不要です。
アクションチャンネルは、バラストタンクブローを装備している場合は、バラストタンクブロー駆動用サーボに接続します。(60秒後動作タイプ)
ダイナミカルダイブタイプの場合は、スロットル操作(スピコン)に接続します。(5秒後動作タイプ)
勿論、アクションチャンネルは、送信機からの信号による手動操作が可能です。つまり、手動でブローすることが可能です。
アクションチャンネルは、モニタチャンネルの信号に変化がなくなってから、5秒または60秒後に、予めボリュームによって設定したポジションにサーボが動作します。
ですから、アクションチャンネルが動作した時の信号の設定は基板上のボリュームで設定しますが、モニタチャンネルの信号が変化しなくなってからでないと設定できません。送信機のスティックを動かさずに暫く待つことで、ボリュームが有効になり、設定が可能になります。
9.注意
モニタチャンネルを一定時間操作しない場合、プロポのフェイルセーフ機能が働いたのと同じことになり、アクションチャンネルが作動しますのでご注意ください。