1.はじめに
RCにおけるフェイルセーフ機能は、PCM方式のプロポでは、もともと備わっている機能なのですが、送信機からの信号が途絶えた時などに、あらかじめ設定した位置にサーボを動かし、被害を最小限にするための安全装置です。RCカー、特にGPカーでは、受信機のバッテリーがなくなっても、燃料がある限り走り続けてしまうことになりますので、レースなどではフェイルセーフ装置の取り付けを義務付けているようです。受信機とサーボとの間に取り付けるフェイルセーフ・ユニットが市販されていますが、自作も可能なので試作してみました。
2.機能
●信号が途絶えた時にフェイルセーフモードに移行
●バッテリーの電圧低下を検出し、フェイルセーフモードに移行
3.仕様
●Ni−Cd/NiーMH:4〜5セル
●消費電流 6mA〜27mA (4.8〜6.0V)
●外形 24*24*10(縦*横*高さ)
●重量 4.2g(コネクタ含まず)
4.回路図
4.部品表
部品番号 |
品番 |
メーカー |
備考 |
IC1 |
ATtiny15L-1SC |
ATMEL |
. |
Q1 |
RN1102 |
東芝 |
. |
Q2 |
RN1102 |
東芝 |
. |
ZD1 |
RD4.7E B2 |
NEC |
. |
R1 |
抵抗 47Ω 1/4W |
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. |
R2 |
抵抗 4.7kΩ 1/4W |
. |
. |
R3 |
抵抗 4.7kΩ 1/4W |
. |
. |
R4 |
抵抗 2.2kΩ 1/4W |
. |
. |
VR1 |
半固定抵抗 10kΩ |
. |
. |
C1 |
積層セラミックコンデンサ 0.1uF 25V |
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. |
C2 |
電解コンデンサ 47uF 10V |
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. |
C3 |
積層セラミックコンデンサ 1uF 16V |
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. |
C4 |
積層セラミックコンデンサ 0.1uF 25V |
. |
. |
C5 |
積層セラミックコンデンサ 0.1uF 25V |
. |
. |
5.回路の説明
受信機からのパルス信号が途絶えた場合、またはバッテリー電圧が3.9V以下になるとサーボモータを初期設定された位置まで回転し停止する回路です。サーボの停止位置の設定は、回路図のVR1で最初に設定しておきます。通常動作では、VR1を回してもサーボは反応しませんので、初期設定する時には、送信機のスイッチを切って、模擬的にノーコン状態を再現させてからVR1を調整します。この時、ノイズが大きい環境では、うまく調整できないかも知れません。そのような場合は、受信機からの信号線のみを外して下さい。
パルス信号が途絶えた場合、またはバッテリー電圧が3.9V以下になるとフェイルセーフモードに入る訳ですが、どちらの場合も0.5秒のタイムラグを設けてあります。これは、瞬間的な電波障害やサーボ起動時の電圧降下に対して反応させないための措置です。
パルス信号が途絶えてフェイルセーフモードに入った場合は、再び正常なパルス信号が入力されれば、フェイルセーフモードは解除され通常動作に戻りますが、バッテリー電圧が3.9V以下になってフェイルセーフモードに入った場合は、安全を考慮して、電圧が復帰してもフェイルセーフモードは解除されないようにしました。
GPカーのエンコンに使用する場合は、フェイルセーフモードに入ったときのサーボ位置は、ブレーキ状態にするのがよろしいかと思います。
6.マイコン プログラムのダウンロード
自作する方は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
圧縮形式ですので、下記ファイルをダウンロードした後、解凍してHEXファイルにしてからマイコンへの書き込みを行って下さい。
書き込みを行う際に、プログラムメモリの最終番地(0x1FF)のローバイトにOSCキャリブレーションデータを書き込んで下さい。
fu105.zip
設定
・FUSE bit (10101100B)
BODEN:0
BODLEVEL:1
CKSEL0:0
CKSEL1:0
RSTDISBL:0
SPEN:1
・LOCK bit (11111111B)
LB1:1
LB2:1