FU10

フェイルセーフ・ユニット




1.はじめに
 RCにおけるフェイルセーフ機能は、PCM方式のプロポでは、もともと備わっている機能なのですが、送信機からの信号が途絶えた時などに、あらかじめ設定した位置にサーボを動かし、被害を最小限にするための安全装置です。RCカー、特にGPカーでは、受信機のバッテリーがなくなっても、燃料がある限り走り続けてしまうことになりますので、レースなどではフェイルセーフ装置の取り付けを義務付けているようです。受信機とサーボとの間に取り付けるフェイルセーフ・ユニットが市販されていますが、自作も可能なので試作してみました。


2.機能
 ●信号が途絶えた時にフェイルセーフモードに移行
 ●バッテリーの電圧低下を検出し、フェイルセーフモードに移行


3.仕様
 ●Ni−Cd/NiーMH:4〜5セル
 ●消費電流 6mA〜27mA (4.8〜6.0V)
 ●外形 24*24*10(縦*横*高さ)
 ●重量 4.2g(コネクタ含まず)


4.回路図



4.部品表
部品番号 品番 メーカー 備考
IC1 ATtiny15L-1SC ATMEL .
Q1 RN1102 東芝 .
Q2 RN1102 東芝 .
ZD1 RD4.7E B2 NEC .
R1 抵抗 47Ω  1/4W . .
R2 抵抗 4.7kΩ  1/4W . .
R3 抵抗 4.7kΩ  1/4W . .
R4 抵抗 2.2kΩ  1/4W . .
VR1 半固定抵抗 10kΩ . .
C1 積層セラミックコンデンサ 0.1uF 25V . .
C2 電解コンデンサ 47uF 10V . .
C3 積層セラミックコンデンサ 1uF 16V . .
C4 積層セラミックコンデンサ 0.1uF 25V . .
C5 積層セラミックコンデンサ 0.1uF 25V . .


5.回路の説明
 受信機からのパルス信号が途絶えた場合、またはバッテリー電圧が3.9V以下になるとサーボモータを初期設定された位置まで回転し停止する回路です。サーボの停止位置の設定は、回路図のVR1で最初に設定しておきます。通常動作では、VR1を回してもサーボは反応しませんので、初期設定する時には、送信機のスイッチを切って、模擬的にノーコン状態を再現させてからVR1を調整します。この時、ノイズが大きい環境では、うまく調整できないかも知れません。そのような場合は、受信機からの信号線のみを外して下さい。
 パルス信号が途絶えた場合、またはバッテリー電圧が3.9V以下になるとフェイルセーフモードに入る訳ですが、どちらの場合も0.5秒のタイムラグを設けてあります。これは、瞬間的な電波障害やサーボ起動時の電圧降下に対して反応させないための措置です。
 パルス信号が途絶えてフェイルセーフモードに入った場合は、再び正常なパルス信号が入力されれば、フェイルセーフモードは解除され通常動作に戻りますが、バッテリー電圧が3.9V以下になってフェイルセーフモードに入った場合は、安全を考慮して、電圧が復帰してもフェイルセーフモードは解除されないようにしました。
 GPカーのエンコンに使用する場合は、フェイルセーフモードに入ったときのサーボ位置は、ブレーキ状態にするのがよろしいかと思います。


6.マイコン プログラムのダウンロード
自作する方は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
圧縮形式ですので、下記ファイルをダウンロードした後、解凍してHEXファイルにしてからマイコンへの書き込みを行って下さい。
書き込みを行う際に、プログラムメモリの最終番地(0x1FF)のローバイトにOSCキャリブレーションデータを書き込んで下さい。

fu105.zip


設定
・FUSE bit (10101100B)
BODEN:0
BODLEVEL:1
CKSEL0:0
CKSEL1:0
RSTDISBL:0
SPEN:1

・LOCK bit (11111111B)
LB1:1
LB2:1