FT10/FT11
フリーフライト機用タイマー

(ラジコン用ではありませんが、RC関連にしました)



FT10

1.はじめに
最近は、ラジコン飛行機を飛ばせる広場が、次々に失われています。お役所はすぐにラジコン禁止の立て札を立ててしまいます。 ラジコン機といっても比較的に安全なものもあります。せめて機体の大きさに制限を設けるとかしてくれればいいのですが、 ラジコンに興味のない人にとっては、ラジコン機という一言で かたずけられてしまいます。たいへん残念なことです。
そんな訳で、近所の公園でも気軽に飛ばせる小型の電動フリーフライト機を作ることにしました。 一番悩んだのが電源で、当初は電気二重層キャパシタを使うつもりでしたが、実際にモータを回してみると、キャパシタの重量の割りにモータランの時間が短いのと、短時間でチャージ出来るとは言え、 いちいち充電するのが面倒だったので、電源は、リチウム・ポリマー・バッテリー(リポ)を使うことにしました。リポをフリーフライト機に使う場合、タイマー回路でモータを一定時間オンさせる回路が必要となります。そこで製作したのが、この回路です。実際に使ってみると、バッテリー交換なしで何度もフライトできるし、公園の広さや風の強さなどその時のコンディションによってモータランの時間が変えられて、とても便利でした。


2.仕様
・電源         : リポ 1セル用 (3〜5V)
・電流         : 2Amax
・タイマー設定時間 : 0〜150秒 (調整可)
・外形         : 35*20*8 (縦*横*高さ)
・重量         : 5.3g


3.回路図 (FT10)



4.部品表(FT10)

. 品名 品番 仕様 メーカー
IC1 シュミット・インバータ TC74HC14AP . 東芝
Q1 FET 2SK2159 . NEC
D1 ダイオード 1S2076A . ルネサス・テクノロジ
D2 ショットキー・ダイオード 1SS349 . 東芝
C1 アルミ電解コンデンサ . 100uF/6.3V .
C2 セラミックコンデンサ . 0.1uF/25V .
R1 抵抗 . 100Ω .
R2 抵抗 . 10kΩ .
VR1 可変抵抗 . 500kΩ .
SW1 タクトスイッチ . . .



5.回路の説明
 回路の動作は、スタートスイッチSW1を押すと、電解コンデンサC1が電源電圧まで充電され、IC1の1ピンがハイレベルとなります。シュミットインバータが2個直列につながっていますので、2段目のシュミットインバータの出力もハイレベルになって、FETがオンします。 電解コンデンサC1の電圧は、並列に接続されているVR1によって徐々に放電されて、ついには、1段目のシュミットインバータの入力レベルがハイからローになるとFETもオフすることになります。 モータランの時間は、C1とVR1の値によって決まります。回路図の定数では、VR1が500kΩ(最大)の時に約3分でした。モータラン時間の可変範囲を変更したければ、 C1又はVR1の値を変更すれば良いことになります。C1、VR1の値を大きくすれば、モータのオン時間は 長くなります。 FETは、必要とする電流容量が足りて、ゲート電圧2.5Vでオン出来るものでしたら、他の品番でも使えます。 IC1は1つのパッケージに6個のシュミットインバータが入っていますが、使うのは2個だけです。使わないインバータの入力端子は、オープンにせずに、グランドか電源に接続しておきます。回路図の入力端子の処理方法はあくまでも一例です。
この回路は、バッテリーの電圧検出を行っていませんので、リポを過放電させないように、飛行回数は余裕を持って、少しでもパワーが落ちてきたと思ったら、早めにバッテリー交換を行うようにしましょう。


6.FT10搭載機&動画
 ft10movie.mpg





7.続き(FT11)


FT11


8.説明
 FT10回路の画像を見るとICが大きな面積を占めているのが分かると思います。ワンゲートロジックなどが使えれば基板をもっと小さく出来たのですが、あいにく手持ちが無かったので、思い切ってシュミット・インバータを省略して、直接FETのゲートにコンデンサを接続してみました。この方法だとICの入力保護回路も不要なので、部品はほんの僅かですみます。たまたま、別の用途に作ったプリント基板があったので、その基板を少し改造して部品を実装してみました。基板のパターンの関係で、使用した部品は、FT10とは少し異なっています。シュミット・インバータを省略したので、多少問題のある回路ではあります。それは、タイマーが働いてモータが止まるときにに5〜10秒くらいかけてだらだらとパワーが落ちていってモータ停止します。そのこと自体はそれほど大きな問題にはならないと思いますが、問題はパワーが落ちていく過程で一時的にFETが発熱することです。ですから、あまり大きな電流を流すモータには不向きです。FETの瞬間最大発熱量は、電源電圧*通常動作時のモータ電流*(1/4)で計算できます。この値がFETの最大定格を超えないようにすれば大丈夫です。


9.仕様
・電源         : リポ 1セル用 (3〜5V)
・電流         : 0.5Amax
・タイマー設定時間 : 0〜60秒 (調整可)
・外形         : 17*14*7 (縦*横*高さ)
・重量         : 1.3g


10.回路図 (FT11)





11.部品表

品名 品番 仕様 メーカー
Q1 FET IRLM2502 . IR
D2 ショットキー・ダイオード 1SS349 . 東芝
C1 タンタルコンデンサ . 47uF/10V .
C2 セラミックコンデンサ . 0.1uF/25V .
R1 抵抗 . 100Ω .
VR1 可変抵抗 . 1MkΩ .
SW1 タクトスイッチ . . .