1.はじめに
SEPICと呼ばれるコンバータ方式を使ったスイッチング電源を制作してみました。
この方式は、昇降圧レギュレータの一種で、設定した出力電圧より、入力電圧が高くても低くても一定の電圧を出力してくれます。
昇圧モードと降圧モードを切り替えるタイプの昇降圧レギュレータのような入力電圧と出力電圧の大小関係が変化するときの不自然な挙動は現れず、素直な特性のスイッチングレギューレータです。
用途として、例えば、乾電池4本直列の6V電源として、LDOを使い安定した5Vを作った場合、乾電池の電圧が5V以下に下がってしまうとLDOの出力も5Vを割り込んでしまいますが、この昇降圧レギュレータを使えば、乾電池の電圧が5V以下に下がっても安定した5Vを出力してくれます。
出力電圧の設定は、基板上のトリマーで自由に調整することが出来ます。
回路は、LT1930のデータシートで紹介されている回路とほとんど同じです
2.機能
●昇降圧レギュレータ
3.仕様
●入力電圧 : 2.6V〜16V
●出力電圧 : 1.5V〜13V(基板上のトリマーで調整可)
●出力電流 : 500mA MAX(入力電圧と出力電圧の関係で必ずしも500mAの電流を出力できるわけではありません。出力特性参照)
●基板外形 : 24*13*7(縦*横*高さ)
4.出力特性
5.回路図
6.部品表
番号 |
部品名 |
品番(仕様) |
メーカー |
備考 |
IC1 |
スイッチングレギュレータ用IC |
LT1930 |
Analog Devices |
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ZD1 |
ツェナー・ダイオード |
BZX584C4V7 |
PANJIT |
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D1 |
ショットキー・バリア・ダイオード |
SS2040 |
PANJIT |
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L1 |
インダクタ |
CLS62-100 |
スミダ |
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C1 |
セラミック・コンデンサ |
47uF/16V |
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C2 |
セラミック・コンデンサ |
1uF/50V |
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C3 |
セラミック・コンデンサ |
47uF/16V |
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R1 |
チップ抵抗 |
4.7kΩ |
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R2 |
チップ抵抗 |
10kΩ |
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VR1 |
半固定トリマー抵抗 |
100kΩ |
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10回転タイプ |
7.配線図
普通の三端子レギュレータと同じように使えます。
入出力には、コンデンサを付けなくても動作しますが、コンデンサを追加するとより安定します。
8.注意
スイッチング方式のため、ドロッパ方式と比較して多少ノイズを出しますので、オーディオアンプ等の電源には不向きです。