SP20                           2013/12/20
USBアダプタを使った小型電源
 



1.概要
 最近、USB電源アダプタが、安価に入手できるようになってきましたので、これを利用したした小型の実験用電源を作ってみました。
USBの電源は、5V単一なのでリニアレギュレータで可変電源は簡単につくれますが、これでは出力電圧が5V以下しか出力できません。
そこで、広範囲の電圧が出力できるようにスイッチング方式で作ることにしました。パワーは小さいのですが、出力電圧は基板上のボリュームで約1.3Vから12Vまで連続的に可変できます。


2.機能
 ・スイッチング方式小型電源


3.仕様
 ・入力電圧 約5.0V
 ・出力電圧 約1.3V〜12V可変
 ・出力電流 330mA(@3.3V)、250mA(@5V)、150mA(@12V)
 ・外形 66*49*45(縦*横*高さ)
 ・重量42g


4.回路図



5.部品表
 部品番号 品名  品番(仕様)  メーカー  備考 
 IC1  スイッチング電源用IC  NJM2360D  新日本無線  
 Q1  トランジスタ  2SA1037  ローム  
 D1  ショットキーダイオード   RB051L-40  ローム  
 LED1  LED       緑色
 VR1  ボリューム  10kΩ   Aタイプ 
 C1  アルミ電解コンデンサ  470uF/10V    
 C2  アルミ電解コンデンサ  220F/16V    
 C3  セラミック・コンデンサ  0.68uF    
 C4  セラミック・コンデンサ  0.1uF    
 C5  セラミック・コンデンサ  1000pF    
 R1  抵抗  100Ω    
 R2  抵抗  470Ω    
 R3  抵抗  330Ω    
 R4  抵抗  0.39Ω    
 R5  抵抗  1kΩ    
 L1  インダクタ   220uH/1A    
 SW1  トグルスイッチ      
 その他  USBコネクタ
 ターミナル端子
 USBアダプタ電源
 USBケーブル(type-B)
     


6.説明
 本回路は、下の写真のようにUSB電源アダプタからケーブルで接続して使います。


 基板上のボリュームを回すことで、出力電圧を可変します。
通常、USB電源の出力電流は最大で0.5Aとなっていますので、この電流を超えようとすると電流ミリッタが作動して、USB電源アダプタを保護します。
 USB電源アダプタ以外にもパソコンのUSB端子も使うことができますが、注意点として、USB端子のGND電位と本回路のマイナス出力端子は電位が異なり、USB端子のGNDと本回路のマイナス出力端子を接続すると電源がショートしてしまいます。絶対に(同一パソコンの)他のUSB機器と電気的な接続はしないでください。
また、スイッチング方式の電源なので、多少ノイズを出すので、オーディオや電波受信機用の電源には向いていません。