SP10                           2012/11/04
電池駆動小型電源
      



1.概要
 電池駆動の小型の実験用電源です。
パワーは小さいので、電流の小さな回路の実験用です。
スイッチング方式の電源なので、多少ノイズを出すため、オーディオや電波受信機用には向いていません。
出力電圧は、基板上のボリュームで約1.3Vから13Vまで連続的に可変できます。
ケースには、単三電池4本用の電池ホルダを利用し、電池1本分のスペースに回路を、残り3本分のスペースに電池を組み込んでみました。


2.機能
 ・スイッチング方式小型電源


3.仕様
 ・入力電圧 約3.6〜4.5V
 ・出力電圧 約1.3V〜13V可変
 ・出力電流 200mA(出力3.3V時)、80mA(出力12V時)
 ・ケース外形 25*19*6(縦*横*高さ)
 ・重量 117g(ケース、電池含む)


4.回路図



5.部品表
 部品番号 品名  品番(仕様)  メーカー  備考 
 IC1  マイコン  NJM2360D  JRC  
 IC2  リセットIC  BD4933  ローム  
 Q1  トランジスタ  2SA1037  ローム  
 Q2  抵抗内臓トランジスタ  RN1102  東芝  
 D1  ショットキー・バリア・ダイオード  RB051_40 ローム  
 LED1  LED(赤)  Φ3    
 R1  抵抗  100Ω    
 R2  抵抗  7.5kΩ    
 R3  抵抗  330Ω    
 R4  抵抗  750Ω    
 VR1  半固定ボリューム  10kΩ    
 C1  アルミ電解(ポリマー)コンデンサ  470uF/6.3V    
 C2  アルミ電解(ポリマー)コンデンサ  270uF/16V    
 C3  セラミック・コンデンサ  0.1uF    
 C4  セラミック・コンデンサ  0.1uF    
 C5  セラミック・コンデンサ  1000pF    
 C6  セラミック・コンデンサ  0.1uF    
 L1  インダクタ   220uH/1A    


6.回路の説明
 単三電池3本を親電源として、1.3V〜13Vを出力できる小出力の実験用電源です。
原理的には、昇圧型スイッチング電源ですが、少々特殊な回路構成になっていて、ボリュームの調整で、親電源電圧より低い電圧から高い電圧まで出力できるようにしてあります。
 IC2、Q2、LED1で構成された部分は、親電源の電圧モニタで、親電源の電圧が3.3V以下になるとLEDが消灯します。電源としての動作には直接関係ありませんので、省略可能です。


7.使い方
 親電源には単三アルカリ電池、又はエネループなどのNi−MH電池が使えます。
 電池ホルダのスイッチを入れるとLEDが点灯して、電源が入ったことがわかります。親電池が消耗して電圧が下がるとLEDは消灯します。
 出力にテスタ等を出力に接続し、ボリュームを回して、望みの出力電圧に調整します。


8.注意
 あまり大きな出力を取り出すことは出来ません。大きな電流を取り出し過ぎると電圧が低下するので、5V出力時に150mA以下が実用域です。  出力をショートさせると、IC1が発熱し、場合によっては故障することがありますので、ショートさせないでください。