1.はじめに
かなり古いものですが、私は写真のようなハンディクリーナーを1台所有しております。
このハンディクリーナーは、単一電池4本(6V)仕様となっていますが、貧乏性の私にとって、使い捨ての乾電池式なのが許せません。
そこで、手持ちのリチウム・イオンバッテリーによる充電式に改造することにしました。
しかし、電圧の関係で単純にリチウム・イオンバッテリーに変更することは出来ません。
リチウム・イオンバッテリーは1セル当たり3.7Vなので、1セルだと電圧が低すぎてパワーが出ません。
かと言って、2セル直列にすると7.4V(充電直後は8.4V)となり、過電圧でモーターが焼けそうになります。
解決方法はいくつか考えられます。
その1
リチウム・イオンバッテリーを2セル直列の7.4Vとし、バッテリーとモーターの間に抵抗を直列接続してパワーを落とす方法。
この方法は、モーターの負荷によって、モーターにかかる電圧が変動してしまう問題があります。
具体的には、モーターの負荷が大きい場合は、モーターにかかる電圧が小さくなりモーターのパワーが弱くなります。
逆にモーターの負荷が小さい場合は、モーターにかかる電圧が大きくなるため、モーターの回転が上がり過ぎてしまいます。
また、大きな電流が抵抗に流れるため、抵抗の発熱も馬鹿になりませんし、抵抗が発熱するということは、エネルギーを無駄遣いしていることにもなります。
その2
その1の抵抗の代わりにダイオードを使う方法。
ダイオードには、定電圧特性があるので、モーターの負荷による電圧変動の影響は小さくなります。
ただ、ダイオードの発熱とエネルギーの無駄遣いの問題は残ります。
その3
DCDCコンバーターを使う方法。
昇圧又は降圧のDCDCコンバータを使って、6V出力の電圧に変換してからモーターに供給する方法で、普通に考えるとこの方法になりそうです。
比較的に大きな電流を扱うことななるので、現実的にはにリチウム・イオンバッテリーを2セル直列の7.4Vを6Vに降圧することになるかと思います。
この方法はうまくいきそうですが、大きな電流出力のDCDCコンバーターが必要で、回路自体がそこそこ大きくなり、DCDCコンバーターの価格も問題になります。
今回ご紹介する回路は、DCDCコンバーターを使うことなく、モーターをPWM制御によってモーターパワーを制御しようというものです。(パワーを上げることは出来ません)
モーター以外にも白熱電球、ヒーターにも使うことが出来ます。
モーターはブラシ付きDCモーター専用で、ブラシレスモーターには使用出来ません。
2.機能
●ブラシ付きDCモーターのパワー制御
3.仕様
●基板外形 : 35*24*8(縦*横*高さ))
●電源電圧 : 5V~16V
●負荷電流 : 10Amax
4.回路図
5.部品表
部品番号 |
部品名 |
仕様 |
メーカー |
備考 |
IC1 |
三端子レギュレータ |
AP7375-50SA |
Diodes Incorporated |
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IC2 |
6回路入りインバータ |
TC74HCU04 |
東芝 |
他メーカ品でも可、HCUタイプ |
Q1 |
Nch MOSFET |
TPH2R003PL |
東芝 |
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D1~D2 |
ダイオード |
1SS352 |
東芝 |
シリコンダイオードならなんでも可 |
D3 |
ショットキー・バリア・ダイオード |
SK54 |
Panjit international INC |
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C1 |
セラミックコンデンサ |
10uF/25V |
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C2 |
セラミックコンデンサ |
10uF/16V |
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C3 |
セラミックコンデンサ |
0.1uF/50V |
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C4 |
フィルムコンデンサ |
0.001uF/16V |
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温度補償セラミックコンデンサでも可 |
C5 |
セラミックコンデンサ |
0.1uF/50V |
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R1 |
抵抗 |
100kohm |
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VR1 |
トリマ抵抗 |
100kohm |
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6.接続
接続は下図参照
7.注意
ESCなどのモーター制御回路との併用はできませんのでご注意ください。