1.はじめに
リチウム・イオン・バッテリー(リポ・バッテリー含む)の充電終了電圧は、通常4.2Vとなっていますが、どうもこの4.2Vという電圧は少々高すぎるような気がします。
バッテリー容量を少しでも大きく見せたい気持ちはわかりますが、バッテリーの安全性や寿命の点からもう少し低い電圧にしたいところです。
充電終了電圧が4.0~4.1V程度に設定した充電ICもないことはないのですが、価格や入手性の点であまり一般的ではありません。
ならば、作ってしまえ!
という訳で、リポ・バッテリーの充電器を製作してみました。
2.機能
●1cell リポ・バッテリー充電回路
3.仕様
●基板外形 : 33*12*4(縦*横*高さ))
●電源電圧 : 5.0V
●充電終了電圧 : 4.0V~4.1V
●基板重量 : 0.9g
●充電電流 : 約100mA(100mAHリポ用)
4.回路図
5.部品表
部品番号 |
部品名 |
仕様 |
メーカー |
備考 |
IC1 |
マイコン |
ATtiny13A |
MicroChip Technology INC. |
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Q1 |
抵抗内臓トランジスタ |
RN1102 |
東芝 |
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Q2 |
抵抗内臓トランジスタ |
DTB113Z |
ROHM |
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D1 |
ショットキー・バリア・ダイオード |
1SS349 |
東芝 |
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LED1 |
LED |
チップLED |
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緑色 |
LED2 |
LED |
チップLED |
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赤色 |
C1 |
セラミックコンデンサ |
4.7uF/10V |
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C2 |
セラミックコンデンサ |
22uF/10V |
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C3 |
セラミックコンデンサ |
0.1uF/10V |
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C4 |
セラミックコンデンサ |
0.1uF/10V |
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R1 |
抵抗 |
330ohm |
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R2 |
抵抗 |
330ohm |
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R3 |
抵抗 |
3.9kohm |
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要調整 |
R4 |
抵抗 |
33kohm |
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R5 |
抵抗 |
10kohm |
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CN1 |
電源コネクタ |
USB-C |
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6.マイコンプログラム
自作する場合は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
下記ファイルをダウンロードしてマイコンへの書き込みを行って下さい。
(右クリックで ”対象をファイルに保存” を選択)
LC800.hex
書き込み時の設定
・FUSE 0xF5(High_byte)、 0x69(Low_byte)
・LOCK 0xFF
7.回路説明
抵抗R3を変更することで、充電電流を変えることが出来ます。
100mAHのリポ・バッテリー専用のため、充電電流は100mAになっていますが、Q2のバラツキのため
調整する必要があるかもしれません。
100mA以上に設定するとQ2が発熱が大きくなるので、これ以上の電流にはしない方がいいです。
充電終了電圧は抵抗R4,R5の比率決まります。
8.使い方
USB-Cコネクタを介して電源を接続するとLED1(緑色)が点灯します。
リポ・バッテリーを接続するとLED2(赤色)が点灯し、充電中であることを示します。充電が完了すると赤LEDは消灯します。
屋外で、リポバッテリーを充電したい場合は、電源としてモバイルバッテリーを使うと便利です。