LC80

リポ充電器                                                          2024/07/26

 
   




1.はじめに
リチウム・イオン・バッテリー(リポ・バッテリー含む)の充電終了電圧は、通常4.2Vとなっていますが、どうもこの4.2Vという電圧は少々高すぎるような気がします。
バッテリー容量を少しでも大きく見せたい気持ちはわかりますが、バッテリーの安全性や寿命の点からもう少し低い電圧にしたいところです。
充電終了電圧が4.0~4.1V程度に設定した充電ICもないことはないのですが、価格や入手性の点であまり一般的ではありません。
ならば、作ってしまえ!
という訳で、リポ・バッテリーの充電器を製作してみました。



2.機能
 ●1cell リポ・バッテリー充電回路



3.仕様
 ●基板外形 : 33*12*4(縦*横*高さ))
 ●電源電圧 : 5.0V 
 ●充電終了電圧 : 4.0V~4.1V
 ●基板重量 : 0.9g
 ●充電電流 : 約100mA(100mAHリポ用)



4.回路図




5.部品表
部品番号  部品名  仕様  メーカー  備考 
 IC1  マイコン  ATtiny13A  MicroChip Technology INC.  
 Q1  抵抗内臓トランジスタ  RN1102  東芝  
 Q2  抵抗内臓トランジスタ  DTB113Z  ROHM  
 D1  ショットキー・バリア・ダイオード  1SS349  東芝  
 LED1  LED  チップLED    緑色
 LED2  LED  チップLED    赤色
 C1  セラミックコンデンサ  4.7uF/10V    
 C2  セラミックコンデンサ  22uF/10V    
 C3  セラミックコンデンサ  0.1uF/10V    
 C4  セラミックコンデンサ  0.1uF/10V    
 R1  抵抗  330ohm    
 R2  抵抗  330ohm    
 R3  抵抗  3.9kohm    要調整
 R4  抵抗  33kohm    
 R5  抵抗  10kohm    
 CN1  電源コネクタ  USB-C    



6.マイコンプログラム
自作する場合は、マイコンにプログラムを書き込む必要があります。
下記ファイルをダウンロードしてマイコンへの書き込みを行って下さい。
(右クリックで ”対象をファイルに保存” を選択)

LC800.hex


書き込み時の設定
・FUSE  0xF5(High_byte)、 0x69(Low_byte)
・LOCK 0xFF



7.回路説明
抵抗R3を変更することで、充電電流を変えることが出来ます。
100mAHのリポ・バッテリー専用のため、充電電流は100mAになっていますが、Q2のバラツキのため
調整する必要があるかもしれません。
100mA以上に設定するとQ2が発熱が大きくなるので、これ以上の電流にはしない方がいいです。
充電終了電圧は抵抗R4,R5の比率決まります。



8.使い方
USB-Cコネクタを介して電源を接続するとLED1(緑色)が点灯します。
リポ・バッテリーを接続するとLED2(赤色)が点灯し、充電中であることを示します。充電が完了すると赤LEDは消灯します。
屋外で、リポバッテリーを充電したい場合は、電源としてモバイルバッテリーを使うと便利です。