AC10

バッテリー電圧低下検出回路                                                    2024/05/13






1.はじめに
 最近、安価な小型RC飛行機用ESC(モータ・スピード・コントローラ)内臓の受信機が入手出来るようになってきました。
しかし、小型の受信機に搭載されているESCには、(リポ)バッテリー電圧の低下検出機能がないものが多いようです。
バッテリーの電圧が低下すると、バッテリーにダメージを与える恐れがあるばかりではなく、受信機の動作電圧の下限を下回ってしまうと、
ノーコンになる心配もあります。
バッテリー電圧が下がってきたら、モーターパワーが落ちてきて、バッテリー残量がないことを操縦者が判断出来ることもありますが、屋外で
比較的高く飛ばしていると、サーマルの影響等でモーターパワーの低下が判らないこともあります。
飛行時間で管理している人も多いようですが、モーターパワーの使い方やバッテリーの劣化状況によって飛行可能な時間は
変わってくるので、時間によるバッテリー残量管理も難しく思えます。
そこで、市販のESC内臓の受信機に追加して使用する電圧低下検出回路を製作してみました。



2.機能
 ●電圧低下検出



3.仕様
 ●基板外形 : 14*6.5*1.5(縦*横*高さ))
 ●電源電圧 : 2.5~4.2V(LiPo 1cell専用) 
 ●重量    : 0.2g
 ●ESC電流 : 2Amax



4.回路図




5.部品表
部品番号  部品名  仕様  メーカー  備考 
 IC1  低電圧検知IC  BD49K33G  ローム  
 Q1  Nch MOSFET  2SK3664  Renesas Electronics  
 Q2  Pch MOSFET  IRLML6401  International Rectifier  
 D1  シリコン・ダイオード  1SS352  東芝  
 C1  セラミックコンデンサ  0.1uF/25V    
 C2  セラミックコンデンサ  1uF/16V    
 R1  抵抗  10kohm    
 R2  抵抗  100kohm    



6.接続
接続は下図を参照してください。




7.使い方
 本回路は、調整等はありません。
バッテリー電圧が3.3V以下に低下すると、モータ電流を遮断しますが、バッテリー電圧が回復すると再びモータに通電されます。
実際の動作としては、バッテリーの電圧低下を検出するとモータがON/OFFを繰り返す動作をするようになるので、これが飛行姿勢にも現れます。
このようなモータのON/OFF動作を確認したら、速やかに着陸させることを推奨します。